Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

軽量プロクシ「Tinyproxy」に脆弱性 - 報告者と開発者に溝

軽量なプロクシサーバ「Tinyproxy」に関する脆弱性が明らかとなった。公表にあたり報告者は開発者より応答がなかったとしてゼロデイ脆弱性として公表したが、開発者のひとりは報告者より開発コミュニティに対して有効な連絡はなく、対応の遅れにつながったと不満を述べている。

脆弱性を発見したCisco Systemsの研究者が、現地時間5月1日に脆弱性「CVE-2023-49606」「CVE-2023-40533」を公表したもの。

「CVE-2023-49606」は、解放後のメモリを使用するいわゆる「Use After Free」の脆弱性。細工したHTTPヘッダを送りつけることで認証なしにコードを実行することが可能。共通脆弱性評価システム「CVSSv3.1」のベーススコアを「9.8」、重要度を「クリティカル(Critical)」とレーティングしている。

あわせて初期化されていないメモリが使用される脆弱性「CVE-2023-40533」についても発表した。CVSS基本値は「5.9」、重要度は「中(Medium)」。同研究者は現地時間5月1日に詳細を公表し、脆弱性の概念実証(PoC)をあわせて公開している。

同研究者は、2023年12月にこれら脆弱性を開発者へ報告し、その後も連絡を試みたが、開発者から応答がなく、アップデートが用意されていない状態で今回の公表に至ったと説明している。

一方開発者のひとりは、ウェブページに記載がある開発コミュニティの「IRCチャンネル」に対し、同研究者から脆弱性に関する連絡はなかったと主張。gitのログに残った使用されていない関係者の古いメールアドレスに対して通知されたものではないかとの見方を示した。

(Security NEXT - 2024/05/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

教員がサポート詐欺被害、NAS内の個人情報が流出か - 山形大付属中
市バスのドラレコ映像が保存されたUSBメモリが所在不明 - 川崎市
がん検診クーポン券に別人の住所、委託事業者のミスで - 横須賀市
個人情報流出の可能性、高負荷から事態を把握 - 楽待
Perl向け暗号ライブラリ「CryptX」に複数脆弱性
監視ソフト「IBM Tivoli Monitoring」にRCE脆弱性 - 早急に更新を
掲示板ツール「vBulletin」に深刻な脆弱性 - 実証コードや悪用も
ZohoのExchange監視ツールに深刻な脆弱性 - アップデートを
委託先で個人情報流出か、セキュリティ監査に虚偽報告 - ソフトバンク
「Wazuh」や「Windows WEBDAV」の脆弱性悪用に注意