「生成AI」の出力コードに過信は禁物 - 安全性の確認を
機械学習のもとさまざまなデータを出力できる「生成AI」。プログラムコードなども生成でき、ソフトウェア開発にプログラマーが不要になるとの声も一部聞かれる。しかしながら、出力されたコードが脆弱性に配慮しているとは限らず、過信すると思わぬ事故につながるおそれもあるとして専門家が警鐘を鳴らしている。

EGセキュアソリューションズの徳丸氏
EGセキュアソリューションズで取締役CTOを務める徳丸浩氏は、記者説明会で2023年を振り返り、気になったインシデントのひとつとして、コンビニエンスストアの複合機による自治体の証明書発行サービスにおいて別人の証明書が交付された問題を取り上げた。
同問題では、システムにおいて排他処理などが正しく行われておらず、タイミングが近接した処理で競合状態(レースコンディション)が発生。出力するファイルが無関係のデータによって上書きされてしまい、情報流出につながった。
同氏は、基本的なトランザクション管理や排他制御が行われていないシステムは多く、政府や地方自治体のシステムでもよく見られる脆弱性だと指摘。類似例として、コロナ禍にあった2021年に水際対策のため導入された入国申請システムでも同様のインシデントが発生したことを挙げた。
政府や自治体に関しては事故が積極的に公表されているが、民間でも同様の問題が潜在している可能性もあると分析。
「レースコンディション」は一般的な脆弱性検査において比較的優先順位が低く扱われがちだが、デジタル庁の脆弱性診断導入ガイドラインにも対策を講じるよう記されるなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上で注意が必要な脆弱性であると述べた。

タイミングが重なり、同じファイル名のファイルによって意図せずデータが上書きされてしまう「レースコンディション」の例(画像:EGセキュアソリューションズ)
(Security NEXT - 2023/12/18 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
メーリングリストで設定ミス、個人情報が公開状態 - 足立区
荷物問合サービスが侵害、個人情報流出の可能性 - 佐川急便
研究用原子炉利用者の身分証明書などが外部流出 - 原子力機構
国内の「NetScaler」狙う攻撃も - 最新IoCで侵害確認を
「Apache HTTPD」に複数脆弱性 - 「クリティカル」との評価も
WatchGuardの「Fireware OS」に15件の脆弱性
HPE製アクセスポイント「Instant On」に脆弱性 - 「クリティカル」5件など
「FortiMail」に深刻なゼロデイ脆弱性 - 悪用が報告、修正版は準備中
事務用NASがランサム被害、通常業務は再開 - 佐賀大
「郵便局アプリ」で個人情報流出 - 緊急メンテを実施

