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暗号化データの分析技術を高速化、従来の1.6倍に - KDDI

KDDIとKDDI総合研究所は、暗号文のまま演算が行える「完全準同型暗号」において、従来よりも速い速度で分析できるあらたな技術を開発した。

「完全準同型暗号」は、暗号化した状態のまま検索や演算を行うことができる暗号化技術。暗号化したままの状態でデータを分析し、結果をフィードバックできるため、医療データをはじめとする機密性の高いデータの処理などへの活用が期待されている。

一方で暗号化を行う際に安全性を確保するため乱数をノイズとして加える一方、ノイズの累積によって処理ができなくなるためノイズをリセットする「ブートストラップ処理」が必要となり、同処理に多くの演算時間を要するが、あらたな手法により同処理について約1.6倍の高速化に成功したという。

あわせて「完全準同型暗号」の基本演算処理についても高速化し、標準的な手法と比べて加算において100倍、乗算において60倍の速度向上を実現したとしている。

同技術の論文は、国際学会の「Asiacrypt 2023」にて採択され、12月4日から12月8日にかけて開催された同学会で発表した。両社では今回の成果を踏まえてさらなる完全準同型暗号の高速化について研究開発を行い、2030年代半ばをめどに実用化を目指す。

(Security NEXT - 2023/12/18 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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