Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

SysAidのITSMツールにゼロデイ攻撃 - 更新や侵害状況の確認を

SysAidのITサービス管理ツールに脆弱性が存在し、ゼロデイ攻撃が展開されていたことがわかった。ランサムウェアの感染活動にも悪用されるおそれがあり、同社は最新版に更新するとともに侵害された兆候がないか確認するよう利用者に呼びかけている。

同製品においてパストラバーサルの脆弱性「CVE-2023-47246」が明らかとなったもの。悪用されるとコードを実行されるおそれがある。攻撃を観測したマイクロソフトが同社に報告。SysAidではProferoの協力のもと脆弱性を特定し、アップデートをリリースした。

MSによると、同脆弱性は「FIN11」「TA505」「DEV-0950」などとしても追跡されており、ランサムウェア「Cl0p」を用いることで知られる攻撃グループ「Lace Tempest」によって悪用されていたという。同グループは「MOVEit Transfer」などに対してもゼロデイ攻撃を展開したことで知られる。

「CVE-2023-47246」を悪用することでSysAidのオンプレミス環境にウェブシェルを設置。PowerShellスクリプトを実行してダウンローダーである「Gracewire」を展開していた。組織内よりデータを窃取されたり、ランサムウェアによる攻撃を受けるおそれがある。

同社では設置されたファイルや通信先などの「IoC(Indicators of Compromise)」情報を公開。同脆弱性が修正された「同23.3.36」にアップロードされているか確認するとともに、ネットワークが侵害されていないか評価し、何らかの兆候を見つけた場合はすぐに対策を講じるよう求めている。

(Security NEXT - 2023/11/10 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

全校生徒の名簿データを第三者へメール誤送信 - 大洲市
ゼロデイ攻撃は8カ月以上前 - 「Active! mail」脆弱性の影響拡大に懸念
物流検品システムなどまもなく復旧、物量制限は解除へ - ランテック
コミュニケーションサポーターのメアド流出 - 茨城県国際交流協会
ランサムでシステム障害、配送遅延など影響 - センコーグループ子会社
職員が顧客情報をUSBメモリで持出、日次確認で判明 - 一関信金
「Erlang/OTP」脆弱性、一部Cisco製品で影響が判明
スポーツグッズ通販サイトで個人情報流出か - 不正プログラムや改ざんを確認
ランサム攻撃で暗号化被害、公共工事のデータも - 松永建設
「ActiveMQ NMS OpenWire Client」にRCE脆弱性 - 修正版が公開