Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

MSDTのゼロデイ脆弱性、悪用拡大中 - 「QBot」の拡散にも

「Microsoft Support Diagnostic Tool(MSDT)」に明らかとなった脆弱性「CVE-2022-30190」を悪用する攻撃が複数確認されている。

同脆弱性は、リモートよりコードの実行が可能となる脆弱性。別名「Follina」としても知られている。VirusTotalにアップロードされたファイルより見つかったもので、マイクロソフトでは5月30日にセキュリティアドバイザリを公表。6月9日時点で修正パッチは公開されておらず、緩和策の実施が呼びかけられている。

Proofpointによれば、すでに複数の攻撃キャンペーンで同脆弱性の悪用を確認しているという。

件数は10件未満と少ないものの、国家の関与も疑われるヨーロッパの政府や米国の地方行政府を標的とする攻撃を観測。「リッチテキスト形式ファイル(RTF)」を用いて脆弱性の悪用を試みるもので、仮想化の状態を確認した上で端末内部を偵察し、ブラウザやメールクライアント、ファイルサービスから情報を盗み、外部へデータを送信することが目的だった。

また中国政府の関与が疑われる攻撃グループ「TA413」が関わったと見られるキャンペーンでは、チベット亡命政権に関連すると見せかけたドメインなどを用い、攻撃を展開していた。

(Security NEXT - 2022/06/09 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「React」が脆弱性3件を追加修正 - 重大脆弱性の余波に引き続き警戒を
「MS Edge」にアップデート - 「Chromium」のゼロデイ脆弱性に対処
県サイト資料に非公開の個人情報、マスキング未処理 - 静岡県
職員用グループウェアがランサム被害、生徒情報流出か - 向上学園
自治体委託イベントの申込フォームに不備 - 個人情報が閲覧可能に
サイバー攻撃被害が判明、内部情報へアクセスされた痕跡 - BBT
個人情報含む記憶媒体紛失、教諭2人を懲戒処分 - 北海道
「AEM」に100件超の脆弱性 - 「クリティカル」も複数
オンライン会議ソフト「Zoom Rooms」に脆弱性 - 最新版で修正済み
地理情報サーバ「GeoServer」の脆弱性悪用に注意喚起 - 米当局