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凸版印刷とNICT、「耐量子 - 公開鍵暗号」の技術確立で共同研究

凸版印刷と情報通信研究機構(NICT)は、量子暗号技術と秘密分散技術を組み合わせた量子セキュアクラウド技術における「耐量子 - 公開鍵暗号」の組み込みに関する共同研究に取り組むと発表した。

量子セキュアクラウド技術は、データの流通、保管、利活用にあたり、量子暗号技術と秘密分散技術を融合することで改ざんや解読などを防ぎ、秘匿性を確保することを目指した技術。

両社は研究を通じて、量子セキュアクラウド技術における「耐量子 - 公開鍵暗号」を実装したICカードを用いたアクセス制御、管理技術の開発を目指すもの。

具体的には、「耐量子 - 公開鍵暗号」を実装したICカードによるアクセス制御、管理技術を、NICTが開発した保健医療用の長期セキュアデータ保管、交換システム「H-LINCOS」へ適用し、保健医療分野における実用性を検証する。

また、量子セキュアクラウド技術に組み込まれている「耐量子 - 公開鍵暗号」を、米国で標準化が進む最新のバージョンにアップグレードし、秘匿性の高い情報の安全な流通、保管、利活用の技術検証を行う。

今後は、量子セキュアクラウド技術の開発を推進し、2022年に「耐量子 - 公開鍵暗号」のICカードへの適用および認証システムの技術検証を開始。2025年に限定的な実用化、2030年にサービス化を目指すとしている。

(Security NEXT - 2021/04/06 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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