Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

セキュアブート回避の脆弱性「BootHole」が判明 - LinuxやWindowsに影響

ブートローダーの「GRUB2」に脆弱性が明らかとなった。ブートプロセス中に任意のコードを実行されるおそれがある脆弱性で、「Linux」や「Windows」などセキュアブートを利用している場合も影響を受けるという。

20200730_bh_001.jpg
Eclypsiumでは「BootHole」と命名し、ロゴを公開した

本来、署名されたソフトウェアのみブートするセキュアブートにおいても、ブート時に侵害が可能となるバッファオーバーフローの脆弱性「CVE-2020-10713」が明らかとなったもの。

同脆弱性の共通脆弱性評価システム「CVSSv3.1」におけるベーススコアは「8.2」。同脆弱性を発見、報告したEclypsiumは、同脆弱性を「BootHole」と命名し、アドバイザリを公表した。

同社によると、脆弱性の悪用には管理者権限が必要となるが、悪意あるブートキットやブートローダーのインストールが可能となり、マルウェアを実行されたり、ブートプロセスの変更、OSカーネルの改ざんなど制御を奪われるおそれがある。

具体的には、「GRUB2」においてファイル「grub.cfg」の処理にバッファオーバーフローを生じさせ、OSのブート前に任意のコードを実行することが可能。同ファイルはEFIシステムのパーティション外に存在するため、署名による整合性への影響を与えることなく改変が可能で、セキュアブートを回避されるという。

(Security NEXT - 2020/07/30 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「Chrome」にゼロデイ脆弱性、アップデート公開 - 軽減策の実施も
特権コマンド実行ツール「sudo」に重要度「クリティカル」の脆弱性
「IBM WebSphere Application Server」にRCE脆弱性 - 暫定パッチ公開
「MS Edge」にアップデート - 固有の脆弱性などにも対処
Salesforceのローコード開発ツールに脆弱性 - 設定リスクの指摘も
構成管理ツール「Salt」に複数脆弱性 - 「クリティカル」も
「Kibana」に深刻な脆弱性 - 「Chromium」の既知脆弱性に起因
「IBM i」のFAX機能に権限昇格の脆弱性 - 修正パッチを提供
「GitHub Enterprise Server」に脆弱性 - アップデートを公開
米CISA、「AMI MegaRAC SPx」や「FortiOS」の既知脆弱性悪用を警告