Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

攻撃者愛用のWindowsコマンドは? - 不要コマンド制限でリスク低減を

JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、攻撃者が悪用する「Windowsコマンド」の調査結果を発表した。普段使用しないコマンドであれば、実行を制限することで攻撃の影響を低減できる。

同センターでは、3つの異なる攻撃グループが侵入した「Windows」端末において使用されたコマンドを集計。「初期調査」「探索活動」「感染拡大」の各攻撃フェーズでどのようなコマンドが多く使用されたかをランキングにまとめた。

初期調査の段階は「tasklist」や「ver」などを使用。ネットワーク情報やプロセス情報、OS情報などを収集して、どの端末に感染したかを調査していた。

さらなる探索活動では、「dir」や「type」でファイルを探索。「net view」などのnetコマンドでネットワークを調査。感染を拡大させる段階では「at」コマンドの利用が目立った。端末上でリモートからマルウェアを実行するために利用する。

同センターでは調査結果を受けて、これらコマンドのなかに普段利用しないものがあれば、実行を「AppLocker」やソフトウェア制限ポリシーで制限することで、攻撃者の活動を抑えることができると指摘。

またコマンドをユーザー自身が使用している場合など制限が難しい場合は、「AppLocker」で実行を制限せずに監査のみ行うことも可能であると説明。イベントログより実行結果を確認できるとして活用を呼びかけている。

「初期調査」におけるコマンドランキング

1位:tasklist
2位:ver
3位:ipconfig
4位:systeminfo
5位:net time
6位:netstat
7位:whoami
8位:net start
9位:qprocess
10位:query

「探索活動」におけるコマンドランキング

1位:dir
2位:net view
3位:ping
4位:net use
5位:type
6位:net user
7位:net localgroup
8位:net group
9位:net config
10位:net share

「感染拡大」におけるコマンドランキング

1位:at
2位:reg
3位:wmic
4位:wusa
5位:netsh advfirewall
6位:sc
7位:rundll32

(Security NEXT - 2015/12/02 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

2Qはインシデントが約8.5%増 - フィッシングが増加
「OpenSSH」の脆弱性「regreSSHion」、40以上のCisco製品に影響
JAXAに不正アクセス - 攻撃起点はVPN、未知マルウェアも
症例情報登録システムがランサム被害、症例情報一時利用できず - 量研
「PHP」の脆弱性、国内でも被害発生 - IPAが注意喚起
サイバー攻撃で情報流出の可能性、サーバは復旧済み - フジ日本精糖子会社
「Cobalt Strike」不正利用対策で国際作戦 - 攻撃元IPアドレスを封鎖
先週注目された記事(2024年6月23日〜2024年6月29日)
国内狙う攻撃キャンペーン「Blotless」 - 再侵入防ぐ対策を
サイバー攻撃で従業員などの個人情報が流出した可能性 - 森永製菓