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2014年はウイルス検出数が半減するも不正プログラムは6割増 - 「CryptoLocker」被害も

情報処理推進機構(IPA)は、2014年に同機構が受け付けたマルウェアの届出状況を取りまとめた。ウイルス検出数は半減した一方、不正プログラムは63%増加。「CryptoLocker」の被害も報告されている。

同機構によれば、2014年におけるウイルス検出数は8万3028件で、2013年の19万5550件から58%減。もっとも多かったのは、「W32/Mydoom」で3万730件。2013年の14万7197件から79%の大幅減となり、検出数全体を押し下げる結果となった。

検出経路を見ると、パソコンへのダウンロードが29万8137件で全体の64.3%、メールの添付ファイル経由が8万2375件で17.8%だった。2013年はダウンロードが43%、メール経由が45.3%だったことから、手口がメールからダウンロードへ移行していることがわかる。

同一の届出者のもとで、同種のウイルスが同日中に複数検出された場合に1件とカウントする「届出件数」は5014件で、前年の6596件から1582件の減少。2005年には5万件を超えていたが、それ以降は減少傾向が続いている。同機構は、一般ユーザーや企業でのセキュリティ対策が進んだためと分析している。

実際に感染被害が発生したのは2件で、いずれも一般法人からの届出。そのうち1件は、パソコン内のファイルを暗号化し、暗号化の解除に金銭を要求するランサムウェアの「CryptoLocker」だった。被害に遭った企業では、パソコンだけでなくファイル共有サーバ内のファイルも暗号化される被害に遭ったという。

一方、「自己伝染機能」「潜伏機能」「発病機能」のいずれも持たずウイルスの定義にあてはまらない「不正プログラム」の検出数は、38万625件だった。2013年の23万3341件から63.1%増となる。最多は6万5942件検出された「Bancos」で、2013年の3万867件から倍増となった。しかし5月から激減し、それ以降は低い水準が続いている。

(Security NEXT - 2015/01/27 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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