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2014年3Qの脆弱性登録件数は1567件 - 「SSL証明書の検証不備」急増

情報処理推進機構(IPA)は、2014年第3四半期における脆弱性データベース「JVN iPedia」の登録状況を取りまとめた。

「JVN iPedia」は、国内のソフトウェア開発者が公表した脆弱性情報や、脆弱性情報ポータルサイト「JVN」の公開情報、米国国立標準技術研究所(NIST)による脆弱性データベース「NVD」の公開情報を収録したデータベースで、2007年4月より運用されている。

2014年第3四半期にあらたに登録された脆弱性対策情報は1567件。内訳は、JVNの掲載情報が349件、NVDの情報が1218件。国内製品開発者による脆弱性情報の登録はなかった。JVNの掲載情報が、前四半期の145件から倍増しており、累計登録件数は4万8427件となった。

同四半期に登録された脆弱性情報を種類別に見ると、「クロスサイトスクリプティング」が271件で最多。「バッファエラー(221件)」「暗号の問題(147件)」「認可・権限・アクセス制御(145件)」と続く。

これまでに登録された脆弱性情報を深刻度別に見ると、共通脆弱性評価システム「CVSS」の基本値が7.0から10.0で「危険」とされる「レベルIII」は、全体の42%で前期より1ポイント減少。「警告」とされる「レベルII」は51%で前期から1ポイント上昇した。「注意」の「レベルI」は前期と同じ7%だった。

また同四半期は、Android OSとアプリに関する脆弱性情報が144件と、前期の17件から急増した。その84%にあたる122件が「SSL証明書を適切に検証しない脆弱性」の対策情報「暗号の問題」だった。

これは米CERT/CCが、複数のAndroidアプリを調査した結果、その多数にSSLサーバ証明書を適切に検証しない脆弱性が確認されたと公表したことが影響したもので、登録件数が大きく増加した。

(Security NEXT - 2014/10/24 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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