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大きな自己責任伴う「iPhone」のジェイルブレイク - 「サーバを持ち歩いているようなもの」

しかし、今後3G機能を備えたiPhoneを乗っ取ることができるとなれば、こうした「不正ダイアル」による攻撃が復活するかもしれない。

「Ikee.B」は、デフォルトのパスワードさえ変更すれば感染を避けることができる。しかし、これで安心して良いのだろうか。

インターネット上の公開サーバが、辞書攻撃や総当たり攻撃によりSSHを通じて侵入され、情報漏洩や改ざん、踏み台など、悪用されるケースは少なくない。

「iPhone」が小型サーバと同等であれば、当然さらされる危険も同じだ。今でこそ、初期設定から手をくわえていないデフォルトパスワードのみが攻撃の対象だが、いつウイルスが進化し、安易なパスワードでも突破できるようになるかわからない。

ほかのスマートフォンでは、セキュリティ対策ソフトがリリースされているが、こうした「脱獄iPhone」を守るソリューションは残念ながら存在していない。

開発や提供にはAppleの協力が必須となるが、危険にさらされているのは保証外の端末だけのため、同社が対策へ積極的ではないことを、F-SecureのMikko Hypponen氏がブログで伝えている。

ジェイルブレイクという行為には、「無保証になる」というリスクだけでなく、管理の状態によっては、大きな被害を遭うかもしれないという「自己責任」が重くのしかかっている。

(Security NEXT - 2009/12/03 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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