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国際金融取引システムの不正送金に北朝鮮「APT38」が関与 - 外交交渉の裏で止まぬ攻撃

国際金融取引システム「SWIFT」が不正アクセスを受け、金融機関より多額の資金が不正に送金された問題で、FireEyeは北朝鮮が支援する攻撃グループ「APT38」が関与したとして詳細を明らかにした。北朝鮮と米国間において協調に向けた外交交渉が進められているが、同グループの活動が収まる気配はないという。

国際金融取引に用いられるネットワークシステム「SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)」に関しては、2016年2月にバングラディッシュ中央銀行が外部より不正侵入を受け、攻撃者が11億ドルの送金を試み、8100万ドルの被害が発生した。

北朝鮮による関与がこれまでも指摘されてきたが、他金融機関においても発生している一連の攻撃について、同社は北朝鮮が関わる攻撃グループ「APT38」が関与しているとの見方を示した。同グループには、同社が「TEMP.Hermit」と呼ぶグループも含まれる。

同社によれば、「APT 38」には、別名「HIDDEN COBRA」として知られる「Lazarus」など、同国が展開する他攻撃と特徴が重なるなど類似点が存在。一部でマルウェアなど使用されるツールやコード、関わる人物などの共通性が見られたという。

一方で目的やターゲットが異なり、利用するツールや戦術、技術、手順といった面から、他活動とは別の攻撃活動として追跡可能であると説明している。

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「APT 38」の標的となった国(図:FireEye)

(Security NEXT - 2018/10/04 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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