Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

重要インフラ狙う中国関与の「Volt Typhoon」攻撃 - 中小企業も攻撃の踏み台に

米政府などは、中国政府が支援しているとされ、重要インフラ事業者などを標的とする攻撃キャンペーン「Volt Typhoon」について注意を呼びかけた。中小企業において管理が行き届いていない脆弱な機器なども攻撃に悪用されているという。

米サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)や米国家安全保障局(NSA)、米連邦捜査局(FBI)のほか、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのセキュリティ当局が共同でセキュリティアドバイザリをリリースしたもの。

同グループの活動に関しては、米国内の重要インフラ事業者が標的となったことが判明している。同様の攻撃をグローバルに展開するおそれもあるとして、攻撃手法や「IoC(Indicators of Compromise)」情報、活動を検出するために活用できる定義ファイルなどを公開して注意を呼びかけた。

「Volt Typhoon」は、侵害活動に用いるツールを攻撃対象のシステム環境より調達する「Living off the Land(LotL)攻撃」が特徴。「LotL攻撃」そのものは目新しいものではなく、「現地調達型攻撃」「自給自足型攻撃」「環境寄生型攻撃」などとも呼ばれている。

もともと導入されている正規ツールを悪用するため、第三者が持ち込んだアプリケーションの稼働を監視する「EDR」などの検知を回避。デフォルト設定のもと取得されるログで捕捉されうる活動量を抑えることで、活動を隠蔽していた。

(Security NEXT - 2023/06/01 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

リサイクル着物の通販サイト、クレカ情報流出のおそれ
ランサム攻撃でシステム障害、情報流出の可能性 - 東海ソフト開発
保健所のデータ受渡用USBが所在不明、管理記録に不備 - 沖縄県
「Chrome」のスクリプトエンジンにゼロデイ脆弱性 - 修正版が公開
Appleの動画エンコーダ「Compressor」に脆弱性 - アップデートで修正
Zoho製アプリ監視ツールにコマンド検証回避の脆弱性 - アップデートで修正
別会員加入者リストがDL可能に、委託先操作ミスで - 札幌市中小企業共済センター
「CODE BLUE 2025」まもなく開催 - CFP応募は前年比約1.6倍
「IBM AIX」のNIM関連機能に深刻な脆弱性 - アップデートで修正
保育所で卒園児情報含むUSBメモリが所在不明 - 北九州市