Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

3月のMS月例パッチ、産業制御システムへの影響に注意を

3月の月例セキュリティ更新によって実施されたWindowsのセキュリティ強化が、産業制御システムの動作に影響を及ぼすおそれがある。米国においてインフラ事業者の業界団体なども注意を呼びかけている。

「DCOM(分散コンポーネントオブジェクトモデル)サーバ」において段階的に実施されてきたセキュリティ強化が最終段階を迎え、3月のパッチ適用後は無効化できなくなり、相互運用性が確保されていないと産業制御システムにおいて重大な影響を及ぼすおそれもあるとして米水道業界のセキュリティ関連団体である米WaterISACが注意を呼びかけたもの。

「DCOMプロトコル」は、Rockwell Automation、GE、Honeywell、Siemens、横河電機をはじめ、「SCADA」「ICS」「OT」など産業制御システムにおいて広く利用されている。

2021年に「DCOMサーバ」に脆弱性「CVE-2021-26414」が判明。マイクロソフトでは移行期間を設けて段階的にセキュリティ強化を進めてきた。

セキュリティ更新プログラムをリリースした米時間2021年6月8日の段階では、影響を考慮してサーバ側のセキュリティ機能についてはデフォルトで無効とするも、フェーズ2となる2022年6月のアップデートでデフォルトにて有効化した。さらにフェーズ3となる2023年3月の月例セキュリティ更新では、パッチ適用後に同機能を無効化できなくなった。

WaterISACでは、今回の変更により産業制御機システムのデバイス間において重要な通信が中断される可能性があると指摘。突然システムが通信を停止した場合は、トラブルシューティング時に原因として考慮する必要があると注意を呼びかけている。

(Security NEXT - 2023/03/29 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「React」脆弱性、実証コード公開 - 悪用リスクが上昇
サイバー攻撃で顧客管理システムのPWが流出 - 車検チェーン店
放課後児童クラブでメール誤送信 - 個人情報印刷時に第三者へ
5支店で個人情報含む伝票を紛失、誤廃棄の可能性 - 興能信金
サポート詐欺で遠隔操作ツールをインストール - 和歌山の休日診療所
「GitLab」に複数の脆弱性 - アップデートで修正
2026年1月開催の「JSAC2026」、参加登録がスタート
「Chrome 143」を公開 - 重要度「高」4件含む脆弱性13件に対応
「Next.js」にセキュリティアップデート - 「React」脆弱性が影響
「Apache HTTPD」にアップデート - 脆弱性5件を解消