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尼崎市USBメモリ紛失事故でBIPROGYに行政指導 - 委託元は監督対象外

個人情報保護員会は、尼崎市で発生したUSBメモリの紛失事故を受け、業務を受託していたBIPROGY(旧日本ユニシス)に対し、個人情報保護法にもとづく行政指導を行った。現行法において自治体は監督対象外だが、2023年4月以降は自治体も同法の適用対象となることから、個情委では各自治体に対して今回のケースを参考に対策を推進するよう促している。

問題となった事故は、6月に発生したもの。同市コールセンターにおいてデータの移管作業を実施するため、同社協力会社の従業員が同月21日17時ごろ、USBメモリをカバンへ入れて持ち出したが、作業後もデータを削除することなく持ち歩き飲食。

帰宅途中に路上で眠り込み、翌22日にUSBメモリを入れていたカバンごと紛失したことが明らかとなった。カバンは6月24日に吹田市内にあるマンション敷地内で見つかり、回収されている。

問題のUSBメモリ内部には、臨時特別給付金支給事務に関する同市全住民46万517人分の住民基本台帳に関する情報が保存されていた。さらに住民税の均等割額など税情報36万573件が記録されており、障害の有無といった要配慮個人情報、給付金支給のための口座番号なども含まれる。USBメモリ内部のデータは暗号化されていた。

個情委では今回の事故について調査を実施。事故発生時におけるリスクが高い情報が大量に保存されており、紛失などが発生した場合に影響が大きいにも関わらず、適切な措置が講じられていなかったとして行政指導を行った。

(Security NEXT - 2022/09/22 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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