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Mozillaの暗号ライブラリ「NSS」に深刻な脆弱性 - アップデートを公開

Mozilla Foundationは、暗号化通信や署名検証などの機能を提供するオープンソースのライブラリ「Network Security Services(NSS)」に深刻な脆弱性が見つかったことを明らかにした。同ライブラリを利用する製品において影響を受けるおそれがある。

「DER」でエンコードされた「DSA」または「RSA-PSS」による署名を処理した際、データ長を正しく検証せず、ヒープオーバーフローが生じる脆弱性「CVE-2021-43527」が明らかとなったもの。重要度は、4段階中もっとも高い「クリティカル(Critical)」とレーティングされている。

「Cryptographic Message Syntax(CMS)」「S/MIME」「PKCS#7」「PKCS#12」においてエンコードされた署名の処理に同ライブラリを用いている場合、脆弱性の影響を受ける。また「TLS}「X.509」「OCSP」「CRL」の処理にNSSを用いている場合も、構成によっては影響があるという。

Mozillaでは、「NSS 3.73」および延長サポート版である「同3.68.1」をリリースした。「Firefox」は脆弱性の影響を受けないとしている。

一方、同ライブラリは広い製品に導入されており、「Thunderbird」のほか、「LibreOffice」「Evolution」「Evince」においてメールやPDFの署名検証にNSSを用いており、脆弱性の影響を受ける可能性がある。脆弱性の判明を受けて、Linuxの一部ディストリビューションでは、同ライブラリのアップデートについて提供を開始している。

(Security NEXT - 2021/12/02 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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