「Evernote」のフィッシングが発生 - メール件名にある「印象筆記」とは
コンテンツ保存サービス「Evernote」を装うフィッシング攻撃が確認された。ユーザー名やパスワードを詐取されると、保存したメモの内容なども流出するおそれがあり、注意が必要だ。
注意喚起を行ったフィッシング対策協議会によれば、問題のフィッシングメールは、「【印象筆記】お知らせ」との件名で送信されているもの。本人のログインであるか確認する必要があり、アカウントの利用を制限したなどと説明して、偽サイトへ誘導しようとする手口だった。
メールに記載されたURLは、サブドメインに「evernote」の文字列を含んでおり、「Evernote」の利用者を狙ったもので、誘導先のページも「Evernote」を偽装したものだった。ユーザー名やパスワードなどを詐取しており、だまされると保存しているメモの内容なども流出するおそれがある。
一方今回のフィッシング攻撃では、URLや誘導先以外に「Evernote」の表記はなく、メールの件名やメールの冒頭に「印象筆記」との記載が見られた。「印象筆記」は、Evernoteが中国国内で展開するコンテンツ保存サービス。「Evernote」とロゴなどは同じだが、「Evernote」とノートの共有なども行えない。アカウントは共通ではなく、あくまで中国向けの別サービスとして展開されている。
中国国内での表記は「簡体字」の「印象笔记」となるが、攻撃者は中国のサービスを意識しつつ、日本国内の利用者から「Evernote」のアカウントの詐取を狙ったことがわかる。
6月4日の時点でフィッシングサイトの稼働が確認されており、同協議会ではJPCERTコーディネーションセンターへ調査を依頼。類似した攻撃に注意するよう呼びかけている。
(Security NEXT - 2021/06/04 )
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