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SAML認証ライブラリ「Lasso」に脆弱性 - ライブラリ依存の幅広い製品へ影響

「IDフェデレーション」や「シングルサインオン」などの認証機能などを提供するライブラリ「Lasso」になりすましが可能となる脆弱性が明らかとなった。同ライブラリに依存する幅広い製品に影響があり、開発者や利用者は注意が必要だ。

同ライブラリは、「ID-WSF」「SAML 2.0」などをサポートしているライブラリ。「SAML認証」においてアサーション署名の確認処理を正しく行わない「XML署名ラッピング(XSW) 」の脆弱性「CVE-2021-28091」が明らかとなった。同脆弱性は2005年11月以降、同ライブラリに存在していたという。

脆弱性を悪用することによって、認証済みのユーザーが別のユーザーになりすますことが可能となる。脆弱性を発見、報告したAkamai Technologiesは、共通脆弱性評価システム「CVSSv3.1」によるベーススコアを「8.2」と評価した。

Akamaiによれば、2月23日に外部エンジニアより今回の問題に関する通知があり、調査を行ったところ、「Lasso」を利用する環境に広く影響を与えることが判明。3月1日以降、開発者やCERT/CCなどと脆弱性の公表に向けて調整を進めていた。

「Lasso」の開発グループは、現地時間6月1日に脆弱性へ対処した「Lasso 2.7.0」をリリース。Linuxのディストリビューションもアップデートを実施している。

(Security NEXT - 2021/06/03 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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