Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

セーフティクリティカルなシステムでのLinux活用目指してプロジェクト

The Linux Foundationは、Linuxベースのセーフティクリティカルなシステムの構築が容易となるよう、「Enabling Linux in Safety Applications(ELISA)オープンソースプロジェクト」を立ち上げた。

同プロジェクトは、障害や故障などが人命を脅かす可能性があるセーフティクリティカルなシステムをLinuxベースで構築したり、認証が受けられるよう、共通のツールやプロセスを開発するもの。

セーフティクリティカルシステムを提供する場合、エラーやハードウェア障害、環境変化への対応など、機能安全目標をクリアし、信頼性や品質保証、リスク管理、開発プロセス、文書化といった要件を満たすことを証明することが開発企業に求められるが、Linuxにおいてこれらを証明する文書やツールが不足していた。

同プロジェクトは、トヨタ自動車、BMW Car IT、ARM、KUKA、Linutronixなどが創設メンバーとして参加し、認証機関や標準化団体とも連携。

「SIL2LinuxMP」や「Real-Time Linux」といったプロジェクトの成果をベースとしつつ、エレメントプロセスツールの共通セットを定義、メンテナンスを行い、ロボット、医療、スマートファクトリー、自動運転、輸送といった分野でLinuxを活用できる環境の整備を進める。

具体的には、「リファレンスドキュメント」や「ユースケース」の開発に取り組むほか、安全工学のベストプラクティスに関するコミュニティの教育、システムに関わるクリティカルコンポーネントのインシデントやハザードを監視することによるメンバーの支援などを行う。

(Security NEXT - 2019/02/25 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「Spring Cloud Gateway」のヘッダ処理に脆弱性 - 偽装のおそれ
【特別企画】サイバー攻撃の標的はOS以下のレイヤーへ - 求められる「信頼たる端末」
「Versa Concerto」に深刻な脆弱性 - 修正状況不明、詳細が公開
「Spring Security」の一部メソッド制御に認可バイパスの脆弱性
「Node.js」に脆弱性 - 各ブランチ向けにアップデート
「Adobe ColdFusion」に深刻な脆弱性 - Adobeが緊急対応を呼びかけ
リコー製複合機向け連携アプリ「Quickエージェント」に脆弱性
NVIDIA製GPUドライバに複数の脆弱性 - 権限昇格やDoSのおそれ
国内インシデント、前四半期比9.4%増 - サイト改ざんが1.8倍
NVIDIAのAI開発フレームワーク「NeMo」に3件の脆弱性