Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「従業員家族を助けて欲しい」 - ラックが異例の呼びかけ

セキュリティベンダーのラックが、従業員家族の心臓移植手術の費用のため、募金を呼びかけている。切迫した状況であるとして、繰り返し協力を求めるアナウンスを行っている。

「かよちゃんを救う会」によると、2013年9月30日生まれの「かよちゃん」こと金澤佳代さんは、心臓の心室の壁が硬くなり広がりにくくなる「拘束性心筋症」。50万人に1人の難病で治療費が高額のため、NPOの支援のもと、厚生労働省や地方自治体で記者会見を行い、募金を呼びかけている。投薬量なども限界に達している状況で、一刻も早く心臓移植が必要な状態だという。

従業員家族の罹患を受け、ラックでは、企業としてプレスリリースを発信するなど活動を展開。6月16日にセキュリティに関する記者説明会を実施した際も、開始前に異例とも呼べるアナウンスを行い、興味があるメディアがいれば、協力してほしいと呼びかけた。

関係者によれば、企業が個人のこうした支援のために活動する前例は聞いたことがないという。社会的にどのような反応が得られるかもわからず、ネガティブな反応があることも覚悟した上で、手探りのなか活動を進めているようだ。

インターネットでは、災害をはじめ募金などに便乗した卑劣な詐欺行為があとを絶たない。今回の活動は、企業としてCSR活動の一環と捉えることもできるが、さらに上場企業が公的なプレスリリースを発行したことで、出所を明確にしたとも言える。曖昧な情報が多いインターネットにおいて、関心を持った人の疑心暗鬼を取り除く効果も期待される。

急速な円安の影響もあり、海外移植の費用は大きく膨み、患者家族の負担が大きくなる傾向にある。今回は2億4500万円が目標とされているが、まだまだ支援が必要な状況。一部金融機関も振込手数料を免除しているほか、クレジットカードや「Yahoo!ネット募金」などにも対応している。

(Security NEXT - 2015/06/19 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

【特別企画】有識者や実務者が「JPAAWG」に集結 - 最新脅威動向や対策ノウハウを共有
Cisco、セキュリティアドバイザリ14件を公開 - 一部製品はEOLで修正なし
制度登録企業宛のメールで誤送信、メアド約1500件が流出 - 新潟県
統計調査員が個人情報含む調査関係書類を紛失 - 大阪府
米当局、「Zimbra」狙う攻撃に注意喚起 - メール「CC」に不正コード
企業情報をメール誤送信、添付ファイル分離で一部影響を軽減 - 島根県
WAFの「SiteGuardシリーズ」にマネージドライセンス - EGセキュア
IoT製品のセキュ評価制度「JC-STAR」 - 4レベルで認証、取消もあり
「NVIDIA Triton Inference Server」に脆弱性 - アップデートを提供
SplunkのAWS向けのアドオンに複数脆弱性 - アップデートで修正