Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

韓国テレビ局や金融機関でマルウェアの大規模感染が発生

韓国の主要放送局や金融機関において、3月20日午後にPC端末が利用できなくなる大規模なシステム障害が発生した。マルウェア感染が原因で、北朝鮮が関与したとの憶測も出ている。

今回の攻撃では、マルウェアによりOSの起動に用いるマスターブートレコード「MBR」が書き換えられ、端末が起動できなくなった。またシステム内部のファイルを破壊したり、韓国産のセキュリティ対策ソフトを停止するといった機能も含まれる。

マルウェアを分析したマカフィーによれば、「MBR」の破壊に用いられたマルウェアは、外部と通信する機能を備えておらず、システムを使用不能とするために作成されたと同社は分析している。

同マルウェアの侵入に用いられた「ドロッパー」は、管理ツールで組織内へ配信されたと見られている。また内部には「Linux」「HP-UX」「SunOS」のファイルシステムの破壊を目的としたモジュールも含まれていた。シマンテックは、Windowsマルウェアの内部にLinuxを破壊するコンポーネントが含まれているケースは異例であると指摘している。

今回のマルウェアについて、シマンテックでは、「Trojan.Jokra」および「WS.Reputation.1」、マカフィーでは「KillMBR-FBIA」および「Dropper-FDH」、トレンドマイクロでは「TROJ_INJECTO.BDE」として検出が可能だという。また韓国のアンラボでは、セキュリティ対策ソフトの定義ファイルによる対応にくわえ、専用ワクチンの提供を開始している。

(Security NEXT - 2013/03/21 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「不正ログイン」相談が約1.5倍 - 「偽警告」は関係者逮捕で減少するも限定的
先週注目された記事(2025年10月26日〜2025年11月1日)
組織の「ネット玄関口」狙う攻撃に注意 - 可視化や脆弱性対策の徹底を
インシデントが2割強の増加 - 「EC-CUBE」改ざん被害も複数報告
韓国関連グループの標的型攻撃が継続 - GitHub悪用でマルウェア展開
従業員アカウントが不正利用、フィッシング踏み台に - 常石G
6月の侵害は未知の手口、米子会社で別件インシデントも - 古野電気
【特別企画】脅威動向や実務者が身をもって学んだノウハウなど共有する年次イベント
「Cisco ASA」狙うゼロデイ攻撃、5月に複数政府機関で確認
メールセキュ製品「Libraesva ESG」に脆弱性 - すでに悪用も、国家関与か