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脆弱性を悪用するワーム「Kido」が急増 - Kasperskyランキング

Kaspersky Labs Japanは、2月に同社ネットワーク「Kaspersky Security Network(KSN)」で検知した不正プログラムなどの状況を取りまとめ、公表した。

2月にユーザーのPC上で検知した悪意あるプログラムやアドウェアは4万5396件で、1月の4万6014件からほぼ同水準での推移となった。ランキングの1位は前月と変わらず「Virus.Win32.Sality.aa」だが、2位には前月から順位を14ポイント上げた「Net-Worm.Win32.Kido.ih」がランクインしている。

同ワームは、「Downad」「Conficker」といった名前でも知られる不正プログラム。ネットワークやリムーバブルメディアを介して拡散するもので、Windows Serverサービスの脆弱性を悪用して攻撃を行う。1月に検知されてから亜種も含め広くまん延しており、現在もまだ収束する気配はないという。

また、7位に「Packed.Win32.Krap.g」が、9位には「Packed.Win32.Klone.bj」が新規ランクインしている。またトップ10圏外だが、18位の「Packed.Win32.Tdss.c」はトロイの木馬やワームなど種類を問わずあらゆるマルウェアを暗号化できるとして、同社では注意を呼びかけている。

トップ20に入っているプログラムを種類別に見ると、自己増殖型のウイルスが45%を占め、トロイの木馬が30%を占めている。割合については前月から大きな変化もなく、自己増殖型が半数を占めるといった最近数カ月の傾向を踏襲したものとなっている。

感染オブジェクトのランキングでは、ランキング全体に大きな変動は見られなかったが、4位に「Virus.Win32.Virut.ce」が新規ランクインした。これはポリモーフィック型ウイルスであるVirutの新しい亜種で、悪意あるiframeブロックを使ってコンピュータ上のHTMLファイルに感染する。感染したファイルは「Trojan-Clicker.HTML.IFrame.acy」として検知され、ランキングでも9位に入るなど被害が広がっている。

検知したコンピュータ総数によるランキング

1位:Virus.Win32.Sality.aa
2位:Net-Worm.Win32.Kido.ih
3位:Packed.Win32.Krap.b
4位:Packed.Win32.Black.a
5位:Trojan.Win32.AutoIt.ci
6位:Worm.Win32.AutoRun.dui
7位:Packed.Win32.Krap.g
8位:Trojan-Downloader.Win32.VB.eql
9位:Packed.Win32.Klone.bj
10位:Virus.Win32.Alman.b

感染オブジェクトによるランキング

1位:Virus.Win32.Sality.aa
2位:Worm.Win32.Mabezat.b
3位:Net-Worm.Win32.Nimda
4位:Virus.Win32.Virut.ce
5位:Virus.Win32.Xorer.du
6位:Virus.Win32.Sality.z
7位:Virus.Win32.Alman.b
8位:Virus.Win32.Parite.b
9位:Trojan-Clicker.HTML.IFrame.acy
10位:Trojan-Downloader.HTML.Agent.ml

(Security NEXT - 2009/03/03 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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