セキュリティ対策製品から検出を逃れたり、使用許諾で合法動作するアドウェアがまん延
キヤノンITソリューションズは、ESETのマルウェア検知システム「ThreatSense.Net」が7月に観測したウイルスの発生状況を公表した。
同レポートによれば、7月はオンラインゲームに関するユーザー情報を盗み出すトロイの木馬「Win32/PSW.OnLineGames」が約12.7%を占めてトップ。同ウイルスは、「キーロガー」と「rootkit」の機能を備えており、MMORPGのプレイヤーだけでなく「Second Life」利用者も攻撃対象となっているという。
2位は、前回3位のオートラン機能を悪用するマルウェア「INF/Autorun」が約4.7%でランクアップした。また10位にも同様の攻撃を行う「Win32/AutoRun.KS」が入っている。
3位は僅差で前回2位だったアドウェアファミリー「Win32/Adware.Virtumonde」が続いた。検出や駆除するためには、セキュリティ対策ソフトにおいて厳格な設定が求められるケースがあるとし、同社では、「Virtumonde」が長期にわたって拡散している理由について、主要なセキュリティ対策製品が効果的に検出できていないと指摘。
ウイルス作者によって、シェアが高い特定のセキュリティ対策製品による検出から免れるよう工夫されるケースも多く、ベンダーとウイルス作者の「いたちごっこ」が発生していることを感染が広がったと分析している。
アドウェアについては、ツールバーとしてインストールされる「Toolbar.MyWebSearch」が5位にランクインした。マルウェアとして扱うことに消極的なセキュリティベンダーもおり、その理由として使用許諾契約書などに小さな文字で説明を行うなど合法的に動作している背景があるという。被害を避けるために、小さな文字なども読み飛ばさないよう同社は注意を呼びかけている。
また6位の「WMA/TrojanDownloader.Wimad.N」は「Windows Mediaファイルで、人気曲などを装いファイル共有ソフトなどを通じて流通し、また7位にもRealPlayerの脆弱性を攻撃する「JS/Exploit.RealPlay.LF」がランクインした。
同社が発表したマルウェアのトップ10は以下のとおり。
1位:Win32/PSW.OnLineGames
2位:INF/Autorun
3位:Win32/Adware.Virtumonde
4位:Win32/Pacex.Gen
5位:Win32/Toolbar.MywebSearch
6位:WMA/TrojanDownloader.Wimad.N
7位:JS/Exploit.RealPlay.LF
8位:Win32/TrojanDownloader.Murlo.NN
9位:Win32/Qhost
10位:Win32/AutoRun.KS
キヤノンITソリューションズ
http://www.canon-its.co.jp/
(Security NEXT - 2008/08/19 )
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