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社員によるセンシティブ情報の不正取得あった - JAL個人情報漏洩事件

JAL客室乗務員の個人情報がJAL労働組合から流出し、不正な個人情報取得などが一部報道により指摘された問題で、同組合ではセンシティブ情報を不正に収集していたことを認め、謝罪した。外部への流出ルートは明らかになっていない。

外部へ流出したリストには客室乗務員約9000名の個人情報が含まれており、一部報道が同リストに容姿や病歴、信教、支持政党といったセンシティブな情報が含まれていることを指摘。同組合では、リストは合員への連絡などを円滑に行う目的で管理されていたものだと説明していた。

同組織では事件の全容解明のため、外部専門家を加えた調査委員会を設置して調査を実施。調査委員会の報告書では、問題となったリストに含まれるデータは、本人以外の社員や管理職から主観的に収集されたものも含まれ、宗教や支持政党、病歴、家族構成といったセンシティブ情報のほか、不適切な問題や社会評価なども含まれていたことを指摘した。

同組合では、個人情報保護法なども考慮されずに目的なく集められた情報もあり、本来の利用目的から逸脱、収集のプロセスについても問題があったことを認め、組合活動が加熱した結果によるもので、軽率だったと謝罪した。

また今回の調査では、外部への流出経路は明らかになっておらず、外部機関の協力を得て対応を検討していく。また同組織では、持ち出した客室乗務員のリストを保有している場合は破棄するようアナウンスしており、被害が発生した場合、法的措置辞さないとしてホームページで訴えていくという。

同組合では、臨時全国組合大会を4月下旬に開催する予定で、現執行部の信任を組合員に問うことで責任を明確にしたいとしている。一方、日本航空では、社内の個人情報を労働組合へ不正に提供していた社員について処分を実施し、再発防止などを進めていく。

(Security NEXT - 2007/03/29 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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