「Apache Struts 2」脆弱性を狙う攻撃 - 情報収集からボット感染狙いまで
「Apache Struts 2」で利用するマルチパートパーサーに深刻な脆弱性が見つかった問題で、影響の大きさからセキュリティ機関やセキュリティベンダーでは注意喚起を行っている。
ファイルのアップロード時に用いる「jakartaマルチパートパーサー」に深刻な脆弱性「CVE-2017-5638」が明らかとなったもの。
今回の脆弱性について検証を行ったJPCERTコーディネーションセンターは、細工したHTTPリクエストを受けると、サーバ上で任意のコードが実行されるおそれがあると説明。同じく脆弱性の検証を行ったソフトバンク・テクノロジーも、脆弱性の悪用は容易であり、攻撃を受けた場合に影響が大きいと指摘し、警鐘を鳴らしている。
Cisco SystemsのTalosセキュリティインテリジェンス&リサーチグループにおいても、すでに攻撃を多数検知しているという。3月6日にセキュリティアドバイザリが公開されたが、翌3月7日午前中には、実証コードが公開されるとともに、攻撃がはじまり、以降も続いている。
同社では、脆弱性を利用して「whoami」「ifconfig」など、システムの情報を得ようとするコマンドを実行する攻撃はもちろん、アクセス制御を行う「iptables」を停止させ、外部ウェブサイトからDoS攻撃用のボットなどマルウェアをダウンロード、実行させようとする攻撃を確認したとしている。
セキュリティ関係者は、今回の問題に関して、脆弱性を解消した「同2.3.32」「同2.5.10.1」へのアップデートや、デフォルトで利用するマルチパートパーサーの変更、サーブレットフィルタによる制御など、対策を講じるよう注意を呼びかけている。
(Security NEXT - 2017/03/10 )
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