6月のマルウェア検出、3割弱減 - 「MS17-010」悪用が増加
6月に国内で検出されたマルウェアは、前月から3割近く減少した。Windowsの「SMB」の脆弱性を悪用する攻撃も多数確認されたという。
ESET製品を取り扱うキヤノンITソリューションズが、6月の国内におけるマルウェアの検出動向を取りまとめたもの。
6月に国内でESET製品が検出したマルウェアは、前月比73%と大きく減少した。最多だったのは「VBA/TrojanDownloader.Agent」。検出したマルウェアの26%を占めている。「Visual Basicベース」のダウンローダーで、メールに「Wordファイル」や「Excelファイル」として添付され、拡散している。
JavaScriptベースのアドウェア「JS/Adware.Agent(5.9%)」やリダイレクトを行う「JS/Redirector(5.5%)」が続いた。また未知の不審なファイルも6%ほどを占めている。
また同社によると6月は、2017年3月にマイクロソフトが月例セキュリティ更新「MS17-010」で修正し、「WannaCrypt」でも悪用された脆弱性に対する攻撃を多数検知したという。
脆弱性を狙った攻撃は2017年10月ごろより徐々に増加。2018年は3月から4月前半にかけて一時減少も見られたが、以降は増加傾向が続いている。

「MS17-010」を狙う攻撃の推移(グラフ:CITS)
また同月はワールドカップに関連した詐欺メールが流通した。オンラインロトによる当選金の獲得や無料招待を装ったケースが確認されており、同社では注意を呼びかけている。
ESET製品が6月に国内で検出したマルウェアは以下のとおり。
1位:VBA/TrojanDownloader.Agent
2位:Suspicious
3位:JS/Adware.Agent
4位:JS/Redirector
5位:JS/Mindspark
6位:JS/CoinMiner
7位:Win32/RealNetworks
8位:Win32/RiskWare.PEMalform
9位:Win32/FusionCore
10位:Win32/KingSoft
(Security NEXT - 2018/07/13 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
「React」脆弱性、実証コード公開 - 悪用リスクが上昇
「GitLab」に複数の脆弱性 - アップデートで修正
「Chrome 143」を公開 - 重要度「高」4件含む脆弱性13件に対応
「Next.js」にセキュリティアップデート - 「React」脆弱性が影響
「Apache HTTPD」にアップデート - 脆弱性5件を解消
JSライブラリ「React」に深刻なRCE脆弱性 - 早急に対応を
ウェブアプリフレームワーク「Django」に複数脆弱性 - アップデートが公開
米セキュリティ機関、「ScadaBR」既知脆弱性の悪用に警告
「Array AG」にCVE未採番の脆弱性 - 8月に国内で悪用被害
「Android Framework」のゼロデイ脆弱性に注意喚起 - 米当局
