Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Dirty COW」にあらたな攻撃手法 - 直接メモリにコードを追加可能

米Trend Microは、「Dirty COW」の脆弱性に関して、従来とは異なるあらたな攻撃方法を確認したことを明らかにした。再起動なしに、管理者権限を奪われるおそれがあるという。

問題の脆弱性「CVE-2016-5195」は、Linuxカーネルのメモリ管理サブシステムに存在。セキュリティ研究者のPhil Oester氏が報告し、「copy-on-write(COW)」に起因することから別名「Dirty COW」と呼ばれている。悪用されるとローカルユーザーによってルート権限を奪われるおそれがある。

脆弱性が公表された10月の時点ですでに悪用されていることが判明しているが、Trend Microでは、今回従来とはまったく別の攻撃手法を確認したという。同手法を用いると、不正なコードを直接メモリへ書き込み、再起動や強制終了など行うことなく管理者権限を取得できるとしている。

同社では、Google Play以外からアプリをインストールできないよう制限したAndroid端末を用い、実証コードでテストを行ったが、利用者に許可を求めることなく不正なアプリがインストール可能だったという。

Linuxに関しては、各ディストリビューションがパッチをリリースしており、Androidに関しても11月にアップデートが公開されている。さらに12月には、端末メーカーによる更新が必須であるレベルへと変更となっているとし、同社は端末メーカーや携帯電話会社からの情報を確認するよう利用者へ注意を呼びかけている。

(Security NEXT - 2016/12/19 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

iOS向けLINEアプリの「金融系モジュール」に脆弱性 - アップデートで修正済み
WP向け操作ログ記録プラグインにSQLi脆弱性 - パッチ未提供
「Node.js」向けMySQLクライアントにRCE脆弱性
「PuTTY」に脆弱性、「WinSCP」「FileZilla」なども影響 - 対象の旧鍵ペアは無効化を
Ivanti製モバイル管理製品「Avalanche」に深刻な脆弱性 - 一部PoCが公開済み
サードパーティ製ソフトに起因する脆弱性7件を修正 - Atlassian
「MS Edge 124」がリリース、脆弱性17件を修正
「PAN-OS」脆弱性への攻撃、国内でも被害報告
「ClamAV」にクリティカルパッチ - サービス拒否の脆弱性など修正
「PAN-OS」のアップデートが公開 - 旧版にも順次提供予定