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マルウェアに強いスマホ「Windows Phone」 - BYODの強い味方となるか

アプリを自由に追加できるなど、PCに近い機能を持つスマートフォン。その利便性を背景に利用者が急増している。MM総研の市場予測によれば、2011年度の出荷は前年比2.7倍となる2340万台。携帯電話の総出荷台数である4190万の半数を上回る見込みだ。

企業の導入状況を見ると、2011年11月の時点でスマートフォン導入率はテストや部分導入を含めて16%。準備検討段階の企業が19%存在し、ますます加速することは確実だ。また私用スマートフォンを業務活用する「BYOD(Bring Your Own Device)」が注目を集めている。企業としては端末の導入コストを抑えられ、利用者は端末を複数持たずに済むなどメリットも大きい。

とはいえ、業務効率が向上する反面、セキュリティに対する不安も少なくない。最多シェアを誇る「Android」だが、シマンテックでは2011年に67件のマルウェアを確認。これらの亜種は3000件から4000件にのぼり、今後も注意が必要だという。

4月にはアドレス帳のデータを外部へ送信する「The Movie系アプリ」が、公式サイトである「Google Play」上で40件以上公開されていたことが明らかとなり、大きな話題となった。

また重要データを保存したり、機密情報へアクセスできるスマートフォンには、「紛失」「盗難」など物理的な問題もある。MDMによる端末管理や、セキュリティガイドラインの策定など、安全面と業務効率化の両立に向けて、セキュリティ業界で模索がはじまっている。

ビジネスユーザーに「Windows Phone」という第三の選択肢

スマートフォン市場は、市場を開拓した「iPhone」の「iOS」と、「Android」の二極化が進んでいるが、そこに切り込んできたのが「Windows Phone」だ。

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中島憲彦氏

「Windows 8」でも採用される新UI「メトロデザイン」や操作性の向上など、従来の「Windows Mobile」から大きく進化。SNSとの親和性や「Xbox LIVEゲーム」などコンシューマーを意識した作りで、2015年にはワールドワイドにおいて、「iOS」のシェアを上回るとの市場予測もIDCから出ている。

これまで業務利用向けに「Windows Mobile」を提供してきた実績にくわえ、「Office」の搭載や不正アプリ対策など、ビジネスユーザーにとっても魅力的なプラットフォームに仕上がっている。

今回「Windows Phone」におけるセキュリティ対策について、日本マイクロソフトコミュニケーションズパートナー統括本部エグゼクティブプロダクトマネージャーの中島憲彦氏と、同本部シニアエグゼクティブプロダクトマネージャーの物部慶幸氏に話を伺った。

(Security NEXT - 2012/05/18 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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