Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

2016年1Qのランサムウェア動向、法人の感染被害が前期比2.7倍に

2016年第1四半期にトレンドマイクロへ寄せられたランサムウェアの感染被害報告数は、870件だった。今後、日本を標的とした攻撃がさらに強まるおそれがあり、同社では警戒を強めている。

同社によれば、2015年以降、国内においてランサムウェアの活動が目立っているという。国内でランサムウェアが検出された端末の件数を見ると、同四半期は8300件で、前年同期の900件から9.2倍へと急増。前四半期の3500件と比較しても、2.4倍の規模にあたる。

ランサムウェアの被害報告(グラフ:トレンドマイクロ)
ランサムウェアの被害報告(グラフ:トレンドマイクロ)

被害報告の件数を見ると、2016年第1四半期に法人から前期比2.7倍、前年同期比24.7倍にあたる740件が寄せられた。個人からの被害報告は130件だった。2015年第1四半期の時点では、法人を個人が上回っていたが、翌第2四半期以降は逆転しており、現在、個人は全体の15%以下にとどまっている。

2015年から継続している「TeslaCrypt(Cryptesla)」や、「Locky」などの拡散に用いられたメールの多くは、件名や本文に英語が使われており、日本語を使用したものは、同期にはほとんど見られなかったという。

同社は日本を標的としたランサムウェアによる本格的な攻撃はまだ発生していないとし、今後日本をメインターゲットとした攻撃が発生した場合に被害が拡大するおそれがあるとして警戒を強めている。

(Security NEXT - 2016/05/25 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

約40万件の個人情報が流出した可能性 - ニデック子会社
ランサム被害で取引先関連情報が流出した可能性 - シークス
サーバがランサム被害、データが暗号化 - 日本テレビHD子会社
海外法人がランサム被害、出荷に影響はなし - アルプスアルパイン
東京海上Gの顧客情報が流出した可能性 - 損査業務には影響なし
髙野総合Gへのランサム攻撃 - 通信機器の設定ミスに起因か
症例情報登録システムがランサム被害、症例情報一時利用できず - 量研
端末49台がマルウェア感染、ランサムと異なる手法 - 富士通
「PHP」の脆弱性、国内でも被害発生 - IPAが注意喚起
約42万件の個人情報が委託先から流出、ランサム被害で - 豊田市