政府、パブコメ経て「サイバーセキュリティ戦略」を決定 - サイバー防衛に注力
政府の情報セキュリティ政策会議は、第35回目の会合で「サイバーセキュリティ戦略」を決定した。
ネットワークの利用が拡大し、国家や重要インフラの安全確保をはじめ、サイバー空間上でのセキュリティ対策が重要な課題となっていることから、安全なサイバー空間の実現に向けた国家戦略を取りまとめたもの。
決定にあたっては、5月よりパブリックコメントを実施。企業や団体、個人からのべ174件の意見が寄せられた。戦略の構成や考え方に関する修正を求める意見はなく、表現など一部修正した上で正式決定となった。
同戦略では、サイバー空間の環境について、従来の取り組みや国際的な動向を踏まえた上で、国や企業、インフラ事業者、一般利用者、インターネット関連事業者の役割と取り組みなど盛り込んだ。サイバー犯罪への対策や、サイバー上の防衛、国際協力といった外交面も含まれる。
サイバー犯罪対策では、日本版NCFTA(National Cyber-Forensics and Training Alliance)の創設や、セキュリティベンダーと情報共有する枠組みの構築、サイバーパトロールの強化など取り組む。また事後追跡できるよう、デジタルフォレンジックの推進に向けて方策を検討していく。
サイバー空間について、他国から攻撃を受ける可能性を明記。自衛隊における「陸」「海」「空」「宇宙」と並びうる「領域」であるとし、情報収集や攻撃、防御といった活動が重要であることにくわえ、現実の活動を支える不可欠なインフラであり、安定した利用環境の確保について重要性を指摘した。
さらに武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた際に、自衛隊が対処する任務を負うと明記。訓練や警戒態勢の整備、サイバー防衛隊の新設など、能力や体制強化など取り組む。
また内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)については、専門職員の採用や育成などを通じて組織体制を整備し、2015年度を目途に「サイバーセキュリティセンター」へ改組する計画だ。
(Security NEXT - 2013/06/11 )
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