マルウェアに強いスマホ「Windows Phone」 - BYODの強い味方となるか
Exchangeとの連携機能で管理できる

物部慶幸氏
同社が提供する製品やサービスとの親和性の高さも「Windows Phone」の特徴だ。すでに「Exchange」を活用している企業であれば、端末の管理機能を製品の追加なしに実現できる。
端末からオンラインストレージサービス「SkyDrive」と連携し、「Office」アプリを利用できることが大きな特徴だ。ビジネス面では、同社が提供するクラウドサービス「Office 365」や、「SharePoint Server」とあわせて利用でき、ネットワーク経由でデータを編集できることも嬉しいところだろう。
また「Exchange」と連携することで、各種情報管理にくわえ、インシデント発生時に管理者やユーザー自身がネットワーク経由でデータを削除することが可能だ。「リモートから端末をロック」「アラームを鳴らす」「端末にメッセージを表示する」「データを削除する」といった機能は、ウェブサイト「windowsphone.com」から利用できる。
さらに物部氏は、「IRM(Information Rights Management)」が利用できる点も、エンタープライズユーザーにとって魅力のひとつに挙げている。「IRM」はドキュメントファイルに使用権限を設定できる認証機能。「Windows Phone」では、搭載する「Outlook」により「IRM」が設定された受信メールへ対応することはもちろん、送信メールに権限を設定したり、暗号化を行った上で送信できる。
外部セキュリティ専門家による高い評価
セキュリティを追求した「Windows Phone」だが、2月に外部機関のフォティーンフォティ技術研究所(FFR)が安全性に関する報告書を発表している。スマートフォン分野に詳しいセキュリティ専門家である大居司氏が調査したもので、一部メモリ保護などに課題があるとしながらも、「iOS」や「Android」と比較して、より安全であるとの研究結果が報告されている。
中島氏は、端末のセキュリティ対策へ力を入れた背景について「携帯電話は、PCと比較してリテラシーが低い人も利用することを前提に設計する必要がある」と説明。「ウイルスを気にすることなく、クラウドとの連携も簡単。外向けにはシンプルでわかりやすいが、ビジネス上のデータを安心して持ち出せる」と自信を見せる。

富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製端末「Windows Phone IS12T(シトラス)」
実際、日本マイクロソフトでは全社的にWindows Phone IS12Tの導入が進んでおり、同端末でメールやスケジュール管理、会議室の予約など幅広く利用されている。中島氏や物部氏の分単位のスケジュール管理を支えているという。
不満があるとすれば、米国で導入が減っているVPNについて非対応としている点や、国内において利用できるキャリアや端末が限定されていることだ。また端末単位の暗号化やアプリ制御の実現など機能強化を期待したい部分もある。
しかし、充実したセキュリティ対策はそれを補う魅力となるはずだ。コンシューマーはもちろん、BYODや企業でスマートフォンを導入する際は、ぜひチェックしたいプラットフォームといえるだろう。
(Security NEXT - 2012/05/18 )
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