「偽」目立った1年 - 見えない「バリア」に守られた1年
こうした「偽」が流行する背景には、騙されるユーザーが存在し、犯罪者にとってより効率よく収益を得られる事情がある。セキュリティ対策技術の進歩により、攻撃のハードルが高くなる一方、原始的ともいえるソーシャルエンジニアリング攻撃こそ、ブラックマーケットの市場規模拡大を支えていると分析するセキュリティ研究者もいる。
「偽」の大流行のなかでひとつ「救い」がある。それは日本語ベースの攻撃が少なく、「言語」がバリアになってくれたことだ。ソーシャルエンジニアリング攻撃は言語への依存度が高く、大きな壁となってくれたわけだ。
一部では「ガラパゴス化」などとも呼ばれている。「偽セキュリティ対策ソフト」について、複数のセキュリティベンダー担当者に話を聞いてみたが、今年に入って日本語化された新種を捕捉したと回答したのはわずか1社だけだった。
OSやアプリケーションの脆弱性が悪用され、不正サイトを閲覧しただけで感染してしまったり、「Free」といったキーワードにつられ、海外サイト経由で偽セキュリティ対策ソフトをインストールしてしまうケースも確認されており、「バリア」というには心許ないかもしれない。しかし、コンシューマーユーザーを危険から遠ざける大きな要因だったことはまちがいない。
(Security NEXT - 2009/12/25 )
ツイート
PR
関連記事
ハウステンボスへのサイバー攻撃 - 個人情報流出の可能性
「Chromium」ゼロデイ脆弱性、Macに影響 - 米当局が注意喚起
「Plesk」Linux版に権限昇格の脆弱性 - アップデートで修正
先週注目された記事(2025年12月7日〜2025年12月13日)
ウェブメール「Roundcube」にXSSなど脆弱性 - 更新を強く推奨
【特別企画】最先端企業が直面した「AIセキュリティの盲点」とは? - 生成AIテーマにカンファレンス
「React」が脆弱性3件を追加修正 - 重大脆弱性の余波に引き続き警戒を
「MS Edge」にアップデート - 「Chromium」のゼロデイ脆弱性に対処
県サイト資料に非公開の個人情報、マスキング未処理 - 静岡県
職員用グループウェアがランサム被害、生徒情報流出か - 向上学園


