Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「原田ウイルス」で相談多数 - IPAが偽装見破る方法をレクチャー

ファイル共有ソフト上で拡散した「原田ウイルス」について、情報処理推進機構へ多数相談が寄せられている。同ウイルスは、感染するとパソコン内のファイルを破壊するため、同機構では、ウイルスを判別する方法などを紹介しながら、注意を呼びかけている。

同ウイルスは、おもにファイル共有ソフト上で流通しており、アニメーションの動画ファイルなどと見せかけた名称などで拡散。1月末に作成者が、ウイルスにアニメの画像を利用していたことから著作権法違反容疑で逮捕されている。

偽装の手口としては、拡張子が表示されないWindowsの初期設定や、ファイル名が長い場合に省略されて表示される性質を悪用。「動画.avi               .exe」など、ファイルへ二重に拡張子を付け、実行ファイルである「exe」拡張子を確認しにくくすることで、利用者を動画ファイルなどと誤解させる。

同機構には、1月にWinnyに関する相談が17件寄せられており、二重に付けられた拡張子で誤解し、原田ウイルスに感染したケースもあった。問題のケースで感染したウイルスは、ガンダム最新作のパロディとして「原田ウイルスOO(ダブルオー)」と表示するタイプで、被害者はウイルス対策ソフトを利用していたが検知されなかったという。

同機構では、拡張子を確認できるよう設定を変更し、怪しいファイルについてファイルのプロパティを確認し、実行ファイルであるのか、動画ファイルであるのか、確認するよう求めている。また、破壊型ウイルスで被害に遭った際は、破壊されたデータから復旧することは困難であるため、バックアップなどを定期的に行うようアドバイスしている。

さらにファイル共有ソフトのネットワーク上は、今回の「原田ウイルス」だけでなく、暴露ウイルスである「Antinny」なども流通していることから、「ウイルスに感染したくなければ、ファイル共有ソフトを使わないに越したことはない」と警告を発している。

(Security NEXT - 2008/02/04 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

小中学校4校で指導要録が所在不明、誤廃棄か - 宇都宮市
ウェブ広告に誤URL、個人情報へアクセス可能に - データ基盤サービス事業者
e講習受講者情報が閲覧可能に - プレストレストコンクリート工学会
IT講座受講者向けの案内メールで送信ミス - 会津大
システムに不正アクセス、予約者にフィッシングメール - 沼津リバーサイドホテル
Samsung、モバイル端末の複数脆弱性を修正 - 一部で悪用も
Atlassian、8月のアップデートで脆弱性5件に対処
「HPE Aruba EdgeConnect SD-WAN」に脆弱性 - アップデートを公開
Wondershareのファイル修復ソフトに脆弱性 - パッチ提供状況は不明
Android版「MS Edge」にアップデート - 独自修正も