Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「PHPMailer」に脆弱性、メジャーCMSにも影響 - 修正不完全で再更新の見込み

メール送信機能を提供するPHPライブラリ「PHPMailer」に深刻な脆弱性が含まれていることがわかった。当初公開された修正版に問題が見つかり、再度アップデートがリリースされる見込み。

開発チームによれば、「PHPMailer」は「WordPress」「Drupal」「Joomla!」などのコンテンツマネジメントシステム(CMS)をはじめ、「1CRM」「SugarCRM」といった顧客管理システムのほか、フレームワークである「Yii」にも採用されているライブラリ。利用者は900万人にのぼるという。

今回明らかとなった脆弱性「CVE-2016-10033」は、ポーランドのセキュリティ研究者であるDawid Golunski氏が発見、報告した。同氏は、9月にMySQLのゼロデイ脆弱性「CVE-2016-6662」を報告したことでも知られる。

同氏によれば、攻撃を行うことにより、ウェブサーバの権限で任意のコードを実行されるおそれがあるとし、実証コード(PoC)もあわせて公開した。メールフォームやパスワードのリセット機能などで「PHPMailer」を利用している場合、影響を受ける可能性がある。

開発チームでは、脆弱性を修正した「同5.2.18」を12月24日に公開したが、修正が不完全であり、修正部分をパイパスできる脆弱性「CVE-2016-10045」が判明。近く同脆弱性を修正した「同5.2.20」がリリースされる見込み。

同ライブラリを利用するアプリケーションにおいても、今後アップデートで対応すると見られ、開発者からの情報へ注意を払う必要がある。

(Security NEXT - 2016/12/28 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「Red Hat OpenShift AI」に脆弱性 - クラスタ管理者権限奪取のおそれ
「Acronis True Image」に脆弱性、アップデートで修正
Western DigitalのNAS製品「My Cloud」に深刻な脆弱性
「WordPress」にアップデート、複数脆弱性を解消 - 旧版利用者は注意
「NVIDIA App」「Nsight Graphics」に脆弱性 - アップデートを公開
「VMware Aria Operations」や「VMware Tools」に脆弱性 - 修正版を公開
Doxense製プリントサーバ管理ソフト「Watchdoc」に深刻な脆弱性
構成管理ツール「Chef Automate」に深刻な脆弱性 - 9月初旬に修正
「Rancher Manager」に脆弱性 - フィッシング悪用や情報漏洩のおそれ
メールセキュ製品「Libraesva ESG」に脆弱性 - すでに悪用も、国家関与か