Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Dridex」感染キャンペーンで「Office」のゼロデイ脆弱性を悪用 - スキャナからのメール装う攻撃に注意

Microsoftの「Office」にゼロデイ脆弱性が明らかとなった問題で、不正送金マルウェア「Dridex」の感染活動に悪用されたことがわかった。

20170411_pp_001.jpg
送信されたメールの一例(画像:Proofpoint)

Proofpointによれば、おもにオーストラリアの組織を対象に、バンキングトロジャンとして知られる「Dridex」を感染させようとするメールが数百万件規模のメールアカウントに対して送信されたという。

同社は、脆弱性公開後、ゼロデイ脆弱性を利用した最初の大規模な感染キャンペーンだと指摘している。

同攻撃では、すでに報告された攻撃と同様、RTFファイルを悪用。

受信組織内のスキャナ機器から送信されたように見せかけるソーシャルエンジニアリングを用いており、「Scan」といった文字列とランダムな文字列を組み合わせた名前のファイルが添付されていた。誤って開くと「Dridex」に感染するおそれがある。

「Dridex」に関しては、国内に対しても日本製複合機でスキャナ機能を利用した際に送信されるメールに見せかけ、マクロを含んだWordファイルを送り付ける攻撃が確認されている

今回の報告は、おもにオーストラリアで攻撃が観測されたものだが、今後国内においても、あらたな脆弱性を利用した攻撃に対して注意が必要だ。

(Security NEXT - 2017/04/11 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「PAN-OS」脆弱性への攻撃、国内でも被害報告
「PAN-OS」のアップデートが公開 - 旧版にも順次提供予定
「PAN-OS」脆弱性、攻撃条件を修正 - 一部緩和策が「効果なし」に
「PAN-OS」脆弱性に対する攻撃が増加 - コマンドで悪用試行を確認可能
「PAN-OS」脆弱性の詳細や悪用コードが公開済み - 攻撃拡大のおそれ
「PAN-OS」に対するゼロデイ攻撃、国内被害は未確認
「PAN-OS」を狙う「Operation MidnightEclipse」 - 3月下旬より展開
Palo Alto Networksの「PAN-OS」にゼロデイ脆弱性 - パッチを準備中
Ivanti、「外部整合性チェックツール」の機能強化版を公開
MS、「Microsoft Edge 103.0.1264.49」を公開 - ゼロデイ脆弱性に対処