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研究者が脆弱性「TunnelCrack」を発表 - 多くのVPNクライアントに影響

通信を保護する「VPN(Virtual Private Network)」に関する脆弱性「TunnelCrack」が発表された。トラフィックが外部に漏洩するおそれがある脆弱性で多くの「VPNクライアント」が影響を受ける。

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論文とともに公開された「TunnelCrack」のロゴ

「TunnelCrack」は、「VPN」に関連する複数の脆弱性を総称したもので、信頼性の低いネットワークへ接続した際、経路などを不正に操作され、トラフィックを傍受されるおそれがある。ニューヨーク大学やルーベンカトリック大学のセキュリティ研究者が論文を公表した。8月11日に「USENIX Security 2023」で発表を予定している。

VPNによるトンネルを確立する前に経路が不正操作されることにより生じる脆弱性で「VPN」の利用当初より存在。「VPN」で使用する暗号プロトコルに関係なく影響を受ける。本来保護されるネットワークトンネルよりトラフィックが流出するおそれがあることから、「トンネル(Tunnel)」と「ヒビ(Crack)」を組み合わせた「TunnelCrack」と名付けられている。

研究グループの調査対象となった「VPNクライアント」は、少なくともひとつ以上のプラットフォーム上で、脆弱性の影響を受けていたという。

「iOS」や「macOS」などApple製品向けに提供されている「VPNクライアント」のほとんどに脆弱性が見つかったとしており、「Windows」「Linux」における「VPN」の大部分についても脆弱であると述べた。

(Security NEXT - 2023/08/10 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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