Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

Linuxカーネルにroot権限を取得できる脆弱性 - 1Gバイト超のパス長処理で

Linuxカーネルにおいて、権限の昇格が生じる脆弱性「CVE-2021-33909」が明らかとなった。各ディストリビュータよりアップデートが展開されている。

バッファの割り当てが適切に行われておらず、域外への書き込みが可能となる脆弱性「CVE-2021-33909」が明らかとなったもの。Qualysが発見、報告した。

2014年7月以降に存在した脆弱性で、パス長が1Gバイト超のディレクトリ構造を作成し、マウント、削除を行うことで、root権限を取得することが可能だという。「Ubuntu」「Debian」「Fedora」など複数のディストリビューションで実際にroot権限を取得できることを確認したとしている。

同社は、6月9日に関係者のメーリングリストをホストするRed Hatに報告。調整を経て7月20日に脆弱性を公開した。各ディストリビューションではアップデートなど対応を進めている。

Red Hatによる共通脆弱性評価システム「CVSSv3.1」のベーススコアは「7.0」とレーティングされている。Qualysでは、基本的な概念実証(PoC)を公開しており、今後、エクスプロイトについても公開する予定。

また同社は、「CVE-2021-33909」の調査を行う過程で「systemd」に関するサービス拒否の脆弱性「CVE-2021-33910」についても発見したとしてあわせて公表している。

(Security NEXT - 2021/07/21 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「WebAssembly」のランタイム「Wasmi」に脆弱性
「GarageBand」にセキュリティアップデート - 脆弱性1件を修正
「JSONata」にプロトライプ汚染の脆弱性 - アップデートにて修正
「WordPress」向けのマルウェア対策やWAFプラグインに脆弱性 - 公開中止に
Cisco、「IOS XR」に関するセキュリティアドバイザリ7件を公開
「Apache Tomcat」に脆弱性、2月の更新で修正済み - 「同8.5」系統は3月末にEOL
Palo Altoの「PAN-OS」や「GlobalProtect App」に脆弱性
バックアップ製品「Arcserve UDP」に脆弱性 - 影響大きくPoCも公開
ファイル転送製品「FileCatalyst」に深刻な脆弱性 - 2023年8月の更新で修正
SonicWallの「SonicOS」やメールセキュリティ製品に脆弱性