東大、技術偏重ではなく文理融合のアプローチからセキュリティを研究
東京大学は、東京大学大学院情報学環に寄付講座「セキュア情報化社会研究グループ(SISOC-TOKYO)」を設置した。自然科学的だけでなく社会科学的なアプローチなども踏まえてセキュリティの問題を再定義し、研究を進める。
同講座は、セキュリティをはじめとするサイバー空間の課題について研究するほか、人材育成や政策提言などを目指したもので、2020年3月31日まで設置される。ディー・ディー・エスの代表取締役社長である三吉野健滋氏の寄付により実現したという。

記者説明会に登壇した須藤氏(左)と安田氏
代表教員は東京大学大学院教授の須藤修氏。東京大学特任教授の安田浩氏が副グループ長を務める。理工学による自然科学的アプローチはもちろん、経済学、法学、行政学、社会学など社会科学的アプローチなども重視する。
専門家の養成のほか、ハッキング攻撃などの演習が行える「サイバーセキュリティプラットフォーム(演習用サイバーレンジ)」を構築するほか、あらたなセキュリティ技術の開発を進める。目下のテーマとして、マイナンバーを視野に、制度の活用促進や、制度改善の提案、認証方式「FIDO」の普及なども目指す。
「FIDO」は、公開鍵暗号と生体認証技術を利用するあたらしい認証方式で、2013年に設立された業界団体であるFIDOアライアンスには、MicrosoftやGoogleなどが参加するほか、国内ではディー・ディー・エスが最初にFIDOアライアンスへ加盟している。
また2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックにはサイバーテロが激化するとして、サイバー空間を保護する日本独自技術の開発なども視野に入れている。
(Security NEXT - 2015/08/13 )
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