IoTボット、感染対象を「Apache Struts 2」やセキュリティ製品にも拡大
ボットプログラム「Mirai」「Gafgyt」のあらたな亜種が確認された。ルータや監視カメラなどのIoT機器にくわえ、「Apache Struts 2」やセキュリティ製品における既知の脆弱性を標的にしていた。
Palo Alto Networksが報告したもので、同社によれば、9月7日に16種類の脆弱性を標的とするあらたな「Mirai」の亜種を確認した。
同社が同マルウェアを解析したところ、ルータやデジタルビデオレコーダ、監視カメラにくわえ、2017年に見つかった「Apache Struts 2」の脆弱性「CVE-2017-5638」を標的としていたことが判明。
同社は把握している限り、「Apache Struts 2」の脆弱性を標的とした「Mirai」の亜種は、今回がはじめてだという。
また同社は、8月5日に「Mirai」のコマンド&コントロールサーバや、ペイロードの配布に利用されたドメインにおいて、Linuxへ感染を広げるボットプログラム「Gafgyt」のあらたな亜種を発見した。
同マルウェアは、HuaweiやD-Link製のルータにおける脆弱性にくわえ、「SonicWall Global Management System(GMS)」の旧バージョンに含まれる脆弱性「CVE-2018-9866」を悪用していたという。
影響を受けるのは、サポートが終了している「同8.1」および以前のバージョンとなるが、7月17日にアドバイザリが公表されたばかりの脆弱性で、Metasploitのモジュールが公開されてから数日後にはマルウェアへ実装されていた。
同社は両マルウェアの登場について、IoT機器を狙うボットが従来のコンシューマー向けデバイスから、企業向けのデバイスにシフトしている可能性があると分析。
パソコンやサーバといったシステムにくわえ、IoT機器も確実にアップデートを実施し、最新のバージョンに保つ必要があると指摘している。
(Security NEXT - 2018/09/11 )
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