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CTF競技会「SECCON」が年齢制限なしに、8月横浜から予選スタート - オンライン予選も開催予定

日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は、セキュリティ技術の競技会「SECCON」の実施計画を発表した。学生や社会人など、所属や年齢に関係なく参加でき、オンライン予選も開催する予定。

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大会の概要

同イベントは、サイバー攻撃や防御など、セキュリティ技術の知識を争う競技大会。2012年度に開催された学生向けCTF大会「SECCON」と、経済産業省が実証実験として社会人向けイベント「CTFチャレンジジャパン」を融合し、年齢制限をなくした。

1チーム4人までで、メンバーの所属や年齢に関係なく参加できる。全国で開催されている勉強会などを通じてトレーニングや研修を提供。参加者は400名以上を見込んでおり、国内で最大のCTFイベントとなる見通しだ。

CEDECとの共催となる8月の横浜大会を皮切りに、全国9カ所で地方大会を展開。1月にはオンラインで参加できる予選も開かれる。勝ち残ったチームによる全国大会は、2014年3月を予定。出題は日本語となるが、地域、国籍など関係なく参加できる。

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田中氏(画面左)と竹迫氏(同右)

「セキュリティ分野の人材不足」を背景に、同イベントを通じた人材育成に注目が集まっている。内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業省、警察庁といった官公庁のほか、業界団体、経団連が後援。運営費用は、趣旨に賛同した企業からの協賛で支えられており、引き続き協賛企業を募っていく。

JNSA会長の田中英彦氏は、「(セキュリティは)若い人、経験を持った人、両方の協力が必要な分野。今回の活動を通じて、広い意味での人材育成につなげたい」とコメント。実行委員長を務める竹迫良範氏は、「サッカーなどスポーツの世界では優秀な人材を輩出しているが、ITセキュリティの分野はまだまだ。学校のクラブ活動からコンテストに出場できたり、そうしたクラブが学校内でCTF大会を開催できるような日本の未来を作りたい」と意気込みを語った。

協賛企業であるNECの則房雅也氏は、「サイバーセキュリティの問題を不安と考えていても、人材育成が大きな課題。OJTも難しく、こうした実地体験できる場が1番効率的な人材育成になるのではないか」と期待を寄せる。「コンテストに参加することが、参加者のステータスとなり、雇うべき人材として認めてもらえるよう、関係省庁や協賛企業で努力していきたい(同氏)」。

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佐々木氏(画面右)と東氏(同右)

前回のSECCONを共催した東京電機大学教授の佐々木良一氏は、SECCONについて「攻撃側と守備側から、リアルな環境で競い、本当の力がないと勝つことができない大会。ますます大会が発展し、技術者が育っていくことを期待している」と述べた。

また2月の社会人向けCTF「CTFチャレンジジャパン」に参加したラックの東結香氏は、CTFについて「一緒に参加した先輩から、業務では体験できない技術やセキュリティへの考え方を学ぶことができ、モチベーションも向上した」と話す。「業態が違うさまざまなエンジニアと、仕事の枠を越えて出会える貴重な機会」とその魅力を出場者の立場から語っている。

(Security NEXT - 2013/06/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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