Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

開発環境狙うサプライチェーン攻撃、「Codecov」が標的に

Codecovでは、4月1日に不正アクセスによりスクリプトが許可なく変更されたことを検知。調査を実施したところ、1月31日以降、スクリプトが108回にわたり、変更されていたことが判明した。同社におけるDockerイメージの作成プロセスに問題があり、アクセスするための権限を攻撃者に取得されたものと見られる。

開発チームは、問題のスクリプトについて修正し、利用者に対して4月15日にメールで注意を喚起。CIプロセスにおいて、環境変数に登録されている認証情報やトークン、キーなどを再設定するよう求めた。

また4月29日より、侵入した痕跡などを検知するための「IoC(Indicators of Compromise)」などの情報を公開。侵害された証跡に基づくデータの送信先となった2件のIPアドレスのほか、スクリプトの変更に用いられたIPアドレスなど今回の攻撃に関連すると見られる情報を提供している。

ただし、すべてを網羅しているわけではなく、今回公開されたIoC情報以外のIPアドレスが用いられている可能性もあるため、注意が必要となる。

同ツールの国内利用者においても実際に被害が確認されており、今後さらに影響が広がるおそれもある。スクリプトが改ざんされていた期間に同ツールを利用していた場合は、攻撃を受けていないか確認することが求められる。

(Security NEXT - 2021/05/21 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

米当局、脆弱性3件の悪用に注意喚起 - FortinetやIvantiの製品が標的に
「auひかり」向けのブロードバンドルータに複数の脆弱性
Apple、「iOS」「iPadOS」のセキュリティアップデートを公開
「Firefox 124.0.1」が公開、深刻な脆弱性2件を解消
ブラウザ「MS Edge」にアップデート - 9件の脆弱性を修正
Google、ブラウザ最新版「Chrome 123」をリリース - 複数脆弱性を修正
「GitHub Enterprise Server」に複数脆弱性 - アップデートが公開
Ivantiの複数製品に深刻な脆弱性 - 早急なパッチ適用を強く推奨
Atlassian、3月の月例アドバイザリを公開 - 脆弱性24件に対応
「Firefox 124」が公開、「クリティカル」含む脆弱性12件を修正