標的型攻撃メールの攻撃手法に変化 - ジャストシステム文書ファイルの悪用目立つ
情報処理推進機構(IPA)は、2013年第4四半期におけるサイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)の運用状況についてレポートを取りまとめた。
J-CSIPは、標的型攻撃に対抗するため、官民連携で情報共有することを目的に2011年10月に発足した組織。重要インフラや製造業など45の組織が参加し、検知された攻撃情報を秘密保持契約のもと参加組織で共有、セキュリティ対策へ活用している。
同四半期における参加組織からの報告件数は、前四半期から26件増となる121件。無差別に配信されたウイルスに関する報告なども寄せられ、報告件数の増加傾向が続いており、74件だった第2四半期と比較すると1.6倍へと拡大した。ただし、報告を受けた121件のうち標的型攻撃と見られるメールは51件で、前回の61件から減少している。
攻撃手法を見ると、前回調査では約半数がメールに記載したURLのリンクによる誘導だったが、今回の調査では添付ファイルを用いる攻撃が目立ち、前四半期から46ポイント増となる78%を占めた。
メールの送信元は、日本と米国がいずれも22%で最多。「中国(8%)」「韓国(4%)」が続く。43%については送信元がわかっていない。
攻撃に利用されたメールの添付ファイルを見ると、第4四半期に見られた攻撃は、ジャストシステムの文書ファイルを用いた攻撃が47%ともっとも多い。実行ファイルによる攻撃が44%で続き、これらで9割以上にのぼる。
第3四半期にはスクリプトを実行させるショートカットファイルを利用した攻撃が約6割を占めたが、今回はわずか3%まで激減。約8割が実行ファイルだった第2四半期と比較しても傾向が異なっている。
不正接続先の地域を見ると、33ポイント上昇した香港が46%で最多。韓国と米国がそれぞれ20%で続く。前回57%で最多だった日本は10%まで縮小した。
(Security NEXT - 2014/01/29 )
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