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MS月例パッチで修正されたゼロデイ脆弱性、ランサム感染活動で悪用

Kasperskyは、4月の月例セキュリティ更新で修正された脆弱性「CVE-2023-28252」の悪用を2月に観測し、報告していたことを明らかにした。ランサムウェアの感染活動に悪用されていたという。

「CVE-2023-28252」は、「Windows共通ログファイルシステム(Common Log File System)ドライバ」に明らかとなった権限昇格の脆弱性。マイクロソフトでは、4月の月例セキュリティ更新プログラムにて修正した。重要度は、4段階において上から2番目にあたる「重要(Important)」としており、共通脆弱性評価システム「CVSSv3.1」のベーススコアは「7.8」。

Kasperskyによると、2月にアジア地域をはじめ、中東、北米などの中小企業が使用する「Windows Server」上で脆弱性の悪用を検知した。「Nokoyawaランサムウェア」を感染させるエクスプロイトのひとつとして確認したもので、「CLFSドライバ」の脆弱性を悪用する既知のエクスプロイトと類似していたが、分析したところあらたな脆弱性を悪用していることが判明したという。

高度な難読化が行われており、高い技術を持つ犯罪グループが使用したものと見られる。かつての「Nokoyawaランサムウェア」は、「JSWormランサムウェア」の名称を変更したものに過ぎなかったが、今回確認されたものは、まったく異なるコードを持つあらたなバージョンとなっていた。

同グループは、「CLFSドライバ」を狙い、類似したエクスプロイトをこれまでも展開しており、少なくとも2022年6月以降に5種類のエクスプロイトを使用。「CVE-2023-28252」を用いて「Nokoyawaランサムウェア」を感染させようとしていた。小売、エネルギー、製造、ヘルスケア、ソフトウェア開発などさまざまなセクターが標的となっている。

(Security NEXT - 2023/04/13 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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