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マルウェア感染や情報漏洩リスク依然高い「Winny」や「Share」 - 「Winny」上のアーカイブファイルは1割以上がマルウェア

日立グループのインシデントレスポンスチームであるHIRTは、ファイル共有ソフト上で流通するマルウェアの状況について調査を取りまとめた。

同調査は、総務省の委託事業「ネットワークを通じた情報流出の検知及び漏出情報の自動流通停止のための技術開発」の一環として、2010年12月から2011年1月にかけてサンプル調査を実施したもの。ファイル共有ソフト「Winny」と「Share」について調べた。

「Winny」では、ダウンロードするファイルにマルウェアが含まれている割合は3.7%で、27件に1件がマルウェアだった。アーカイブファイルに限定すると7件に1件とさらに割合が高かった。一方「Share」における割合は1.3%でいずれも大きな変化はなく、ウイルスの流通が定常化しているという。

「Winny」上では95.2%がアイコンを偽装。29.9%がファイル名を偽装していた。「Share」についてはファイル名の偽装が際立っており、72.2%%にのぼっている。

「Winny」では、72.9%が情報漏洩の原因となる暴露ウイルス「Antinny」や亜種だった。一方「Share」では32.4%と割合が下がる。一方ファイル感染ウイルスは、「Winny」において23.9%だが、「Share」において60.7%と大きな割合を占めていた。大半が2002年に登場した「PE_PARITE.A」だという。

同社は、流通するマルウェアの種類や割合に大きな変動は見られず、依然としてウイルス感染や情報漏洩の脅威があると指摘している。

(Security NEXT - 2011/09/14 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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