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慶大、研究用ヘルスデータ収集アプリを一般公開中止 - 研究計画と異なる運用で

慶応義塾大学は、開発した研究用のスマートフォン向けアプリについて、医学部倫理委員会に申請された研究計画に反する運用が認められたとして、提供の中止を決定した。

同大によれば、医学部内科学教室が開発し、2015年11月23日に公開されたスマートフォン向けアプリ「Heart & Brain」を使った研究について、申請された研究計画と異なる運用があったという。

同アプリは、ヘルスケアデータの収集方法と、不整脈などの病気を早期発見する可能性を検討するため、ユーザーから情報提供を受ける目的で開発したもの。同意を得た上で、不整脈や脳梗塞の危険因子に関するアンケートをはじめ、身体の動きから計測される運動機能の評価データ、動悸が起きた時の症状など、研究データとして収集する。

本来、申請された研究計画では、アプリの公開前に慶応大学病院の患者に利用してもらって事前検討を行い、その後一般ユーザーが利用することになっていたが、実際には、院内での事前検討前にアプリが一般に公開され、利用されていたことが、医学部倫理監視委員会の指摘で判明したという。

同大では、協議を実施し、1月17日付けで研究の許可を取り消し、同月21日に同アプリの提供を中止した。同アプリを通じて提供された情報は個人が特定されないよう匿名化しており、今回の措置によって、利用者に不利益は生じないと説明。情報流出や不正利用についても否定している。

(Security NEXT - 2017/03/06 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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