Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Flash Player」のセキュリティアップデート、早期適用の重要性

「Adobe Flash Player」のセキュリティアップデートを公開したタイミングから、わずか数日といった短いスパンで攻撃コードが登場している。コードが公開され、容易に悪用が可能となるケースも少なくない。

米国時間5月12日、Adobe Systemsはセキュリティアップデートである「APSB15-09」を公開し、「Adobe Flash Player」の脆弱性18件を修正した。同社は72時間以内にできるだけ早くアップデートするよう呼びかけている。

72時間を短いと感じたり、少々オーバーな表現ではないかと勘ぐるユーザーもいるかもしれない。しかし、こうした「タイムリミット」は、現実的なものだ。たとえば、米国時間4月14日に公開し、22件を修正したセキュリティアップデート「APSB15-06」はその良い例と言える。

同アップデートには、ロシア政府の関与疑惑も出ている標的型ゼロデイ攻撃に用いられた脆弱性「CVE-2015-3043」が含まれており、早急な適用が呼びかけられたが、早急に対応すべき理由はゼロデイ攻撃が発生していただけに限らない。攻撃が確認されていなかった脆弱性についても、公開により攻撃のリスクが高まるためだ。

セキュリティベンダーによって一部見解は異なるが、4月のアップデートが公開された3日後には、エクスプロイトキットである「Angler」により、同アップデートで修正された脆弱性「CVE-2015-0359」の悪用が確認された。まさにAdobeが適用を推奨した72時間の経過とともに、エクスプロイトキットによる悪用がはじまったことになる。

(Security NEXT - 2015/05/22 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

MS、「Windows Server」向けに定例外パッチ - 米当局が悪用確認
Dellストレージ管理製品に認証回避の脆弱性 - アップデートで修正
前月の更新で「Bamboo」「Jira」など脆弱性14件を修正 - Atlassian
シークレット管理ツール「HashiCorp Vault」に複数の脆弱性
アイ・オー製NAS管理アプリに権限昇格の脆弱性
コンテナ保護基盤「NeuVector」に複数脆弱性 - 「クリティカル」も
GitLab、アップデートを公開 - 脆弱性7件を解消
「BIND 9」にキャッシュポイズニングなど複数脆弱性
端末管理製品「LANSCOPE」の脆弱性狙う攻撃に注意喚起 - 米当局
ZohoのAD管理支援ツールに脆弱性 - アップデートで修正