Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Flash Player」の脆弱性狙うマルウェアが一時的に急上昇 - 水飲み場型攻撃に悪用

日本国内において「Adobe Flash Player」の脆弱性「CVE-2014-0515」を悪用する水飲み場型攻撃が確認されているとして、キヤノンITソリューションズが注意喚起を行った。

同社が製品を取り扱うESETにおいて、「Adobe Flash Player」に存在する既知の脆弱性「CVE-2014-0515」を攻撃するマルウェア「SWF/Exploit.CVE-2014-0515」の検知率が一時的に上昇したもの。

20140521_ci_001.jpg
「SWF/Exploit.CVE-2014-0515」が一時的に増加(グラフ:キヤノンITS)

5月20日の時点において、同マルウェアは日本国内で検知されたマルウェアの6.9%を占め、「HTML/IFrame」に次いで2番目に多く検知された。またキヤノンITSによれば、特定のターゲットに対してマルウェアを感染させるいわゆる「水飲み場型攻撃」への悪用を確認しているという。

攻撃の対象となった脆弱性「CVE-2014-0515」は、悪用されるとバッファオーバーフローが発生し、端末の制御を奪われるおそれがある。一時ゼロデイ攻撃に悪用され、Adobe Systemsでは、米国時間4月28日に脆弱性を修正するセキュリティアップデートを緊急公開している。

今回、攻撃の一時的な増加が確認されたが、翌21日にはすでに沈静化した模様で、検知率もマルウェア全体の0.1%未満まで縮小した。週単位の検知率も同じく0.1%未満であり、一時的な上昇と見られる。

一方で、同マルウェアは、すでに複数の亜種が確認されており、5月18日にはブラジル国内で感染が拡大した。今後さらなる亜種が発生する可能性もあるとして、キヤノンITSでは注意を呼びかけている。

(Security NEXT - 2014/05/21 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

PR

関連記事

「SonicWall GMS」に認証回避など複数の脆弱性 - アップデートが公開
4月のMS月例パッチで修正された脆弱性が攻撃の標的に - 米当局が注意喚起
Google、脆弱性2件を修正した「Chrome」のアップデートを公開
「ArubaOS」に深刻な脆弱性 - リモートよりコード実行のおそれ
権限ない学生が教務システムで個人情報を閲覧可能に - はこだて未来大
AIアプリの構築に活用される「BentoML」に深刻な脆弱性
「WooCommerce」向けのカスタムフィールド追加プラグインにRCE脆弱性
先週注目された記事(2024年4月21日〜2024年4月27日)
「MS Edge」にアップデート - 重要度「クリティカル」の脆弱性を解消
新「NOTICE」がスタート、脆弱性ある機器も注意喚起対象に