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【訃報】初代情報セキュリティ補佐官を務めた山口英氏

奈良先端科学技術大学院大学の教授で、セキュリティ分野の研究やセキュリティ政策の推進で活躍した山口英氏が、5月9日に天理市内で亡くなった。52歳。葬儀は親近者のみで営まれ、後日お別れの会を予定している。

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2014年に都内で開催された「OWASP AppSec APAC 2014」で基調講演を務めた際の山口英氏

同氏は、2000年に奈良先端科学技術大学院大学教授に就任。初代の内閣官房情報セキュリティ対策推進室情報セキュリティ補佐官を、2004年4月から2010年3月まで6年間にわたり務めた。

またJPCERTコーディネーションセンターの代表理事をはじめ、FIRST理事、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)理事、WIDE Projectボードメンバー、フィッシング対策協議会会長などを歴任した。

1999年度の情報化促進貢献個人表彰、2015年度に科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞、第1回情報セキュリティ文化賞などを受賞している。

生前同氏が代表も務めたJPCERTコーディネーションセンターでは、アジア地域初となるCSIRTとなった同センターの設立が同氏の尽力によるものであると振り返り、苦楽を共にした頼もしい同士や心を開き語り合える友であり、細やかな気遣いを持ちつつも時に厳しい指導者だったと同氏の死を悼むとともに、故人の遺志を引き継ぎ、人々が安心して暮らせる社会を創るために努力していきたいとメッセージを寄せている。

(Security NEXT - 2016/05/12 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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