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標的型攻撃に悪用されやすい人気ソフトの脆弱性、前年比2倍以上のハイペース

情報処理推進機構(IPA)は、2013年第1四半期における脆弱性データベース「JVN iPedia」の登録状況を発表した。2012年と比較し、2倍以上のペースで人気ソフトの脆弱性が登録されているという。

「JVN iPedia」は、国内のソフトウェア開発者が公表した脆弱性情報や、脆弱性情報ポータルサイト「JVN」の公開情報、米国国立標準技術研究所(NIST)による脆弱性データベース「NVD」の情報を収録したデータベース。2007年4月より公開されている。

同四半期に登録された脆弱性対策情報は、国内製品開発者から収集した情報が3件、JVNの掲載情報が85件、NVDの情報が1149件で合計1237件。前四半期の1256件をわずかに下回った。これにより、累計登録件数が3万9336件となった。

あらたに登録された脆弱性情報を種類別に見ると、「バッファエラー」が158件で最も多く、「認可・権限・アクセス制御の問題(128件)」「クロスサイトスクリプティング(114件)」「不適切な入力確認(98件)」「リソース管理の問題(94件)」「情報漏洩(74件)」と続く。

登録済み脆弱性情報の深刻度別割合は、前期と変化がなかった。CVSS基本値が7.0から10.0で「危険」とされる「レベルIII」が全体の45%を占め、「警告」とされる「レベルII」は49%。3段階中もっとも低い「注意」の「レベルI」は6%だった。

また同四半期は、ユーザー数の多い人気ソフトの脆弱性登録が目立っている。3カ月間に「一太郎」「Flash Player」「Adobe Acrobat」「Adobe Reader」「JKD」「JRE」「IE」「Firefox」など主要ソフトウェア8製品の登録件数は292件。2012年に登録された脆弱性が531件だったことを踏まえると、2倍以上のペースで推移している。

さらに脆弱性情報の深刻度を見ると「レベルIII」が65%、「レベルII」が32%、「レベルI」が3%。平均よりもより深刻度が高い傾向が見られた。同機構では、こうした脆弱性は標的型攻撃に悪用されるリスクが高いとして、速やかに対策を実施するよう呼びかけている。

(Security NEXT - 2013/04/19 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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