Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

ランサム「Locky」が活動再開か - Wordファイル入りPDFで拡散

2016年に国内でも多数観測されたランサムウェアの「Locky」だが、再びあらたな活動が複数のベンダーによって観測されている。

PhishMeでは、「Locky」の感染を目的としたスパムの拡散を4月21日に確認。今回の感染活動では、従来とは異なり、Officeのマクロファイルを利用。不正送金マルウェアとして知られる「Dridex」の拡散方法と類似していると指摘している。

攻撃に利用されたファイルを解析したKaspersky Labによれば、メールへ添付されていたファイルは、PDFファイルを使用。外部よりファイルをダウンロードするVBAマクロを含むWordファイルがPDFファイルへと埋め込まれていた。

PDFファイルを開くと、Wordファイルが開くしくみで、その際に誤って「編集を有効にする」ボタンをクリックすると、ダウンロードされたランサムウェアによりファイルが暗号化される。暗号化後に追加される拡張子は「.osiris」だった。

今のところ、今回の攻撃キャンペーンで日本語を用いたスパムメールは確認されていないという。しかし、暗号化後に金銭を要求するページは、日本語を含む31カ国語に対応していた。

また今回の攻撃では、国内の一部サーバが踏み台に悪用されていた。問題のサーバは、2016年9月より改ざんされた状態が続いていると見られている。

(Security NEXT - 2017/04/28 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

再委託先における2023年2月のランサム被害を公表 - 国交省
サーバがランサム被害、UTMの設定不備を突かれる - CRESS TECH
ランサム被害、本番環境への影響がないことを確認 - フュートレック
個情委、人事労務サービスのMKシステムに行政指導 - 報告は3000件超
ランサム被害で情報流出のおそれ、調査を継続 - フュートレック
初期侵入から平均62分で横展開を開始 - わずか2分のケースも
サイバー攻撃で狙われ、悪用される「正規アカウント」
小規模事業者持続化補助金の事務局がランサム被害
JPCERT/CCが攻撃相談窓口を開設 - ベンダー可、セカンドオピニオンも
サーバがランサム被害、データが暗号化 - 愛知陸運